第28話

見つめられてる。



わかったとたんブワッと顔に血が集まる。



あわわわわわわ。




「おい?」



「あっハッハイ‼もっもう良いで・・・でぇえっ!?」




滅茶苦茶挙動不審で吃りながら、慌てて成実様に駆け寄ろうとした。



けど、何もない所で躓いた。



あら、やだ。

私ってば、おっちょこちょい‼




って~~~~っ‼



私これでも忍なんですけど~!?



今においても政宗様、そして成実様を守れるように鍛えてるんですけど~!?




こんな何もない所で躓くとかっ‼




成実様が駆け寄って下さろうとしてるのが見える。




私のためにっ‼




真剣な表情に・・・私に向かって差し伸ばされる手におもわず見惚れて・・・。











ビターーンッッ‼‼




「~~~~~~っっ‼」





顔面から逝きました・・・。



しこたま顔面を打ちました・・・。




もう立ち上がれません。



忍が・・・忍たる者が何もない所で転ぶとか。



ましてや、手もつけず顔面強打とか。



もう忍べないっっ‼




恥ずかしい‼



穴があったら入りたい。


掘る?

もういっそ自分で掘る?




「大丈夫か??」



「・・・・・・ハイ」




声をかけてくださった成実様になんとか返事を返す。




地面に顔をめり込ませたまま。




「ほら」




・・・ほら?



少しだけ顔を上げれば、男らしい手が目にはいる。









まっまさか・・・・・・。



その手に掴まれというのですか!?



起こして下さるというのですか!?



優しい‼

成実様‼




しかしっっそんなっっ・・・



手を繋ぐなんて、まだ私達には早・・・





「ほぉぉぉおっっ!?」

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