第15話

ハッ!!



『まーた豪快に生き倒れてんな。生きてるか?』


声を低くして、ベンチで寝てる人に言う。




っっっ///



うきゃーっっ!!



成実様の真似をしてしまいました!!



私と成実様の出逢い編。


成実様…




ぐ~~~~!!




感傷に浸りかけた私の耳に盛大なお腹の鳴る音が聞こえてきた。



おもわず自分のお腹を押さえるも。



私じゃない。




ならば。



顔を腕で隠すように寝ている、この人しかおらず。



どこまでも、出逢い編に似た状況。



ハッ!!

まさかこの人、寝てるんじゃなくて、お腹が減って動けないの!?



それなら、一大事だ。



飢えは恐ろしい。



前々世で嫌ってほど体験した私は、今でも覚えてる。



そしてそんな時に差し出された、おにぎりの美味しさも、優しさも――。



えっと…



首にかけた御守り袋をジャージの下から引っ張り出す。



その中にはお小遣いの500円が常備入ってる。


コンビニ、コンビニ。



おっ!


あった!!




「待ってて!!今、なにか買ってくるから!!」



「…」




男の人にそう言って、私は返事を聞くことなく駆け出した。

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