第12話

私を抱きしめて寝てる場合か。



こんなに近いんだから、政宗様を抱きしめて寝ればいいのに。




「奥手か」



「ブフッ!!」



「ん?」




ボソッと呟いた言葉に、政宗様が反応したような?



吹いたような?




ソッと政宗様の方を見れば、眩しいほどに美しい寝顔と安らかな寝息。



気のせいでしょうかね?



ソッと二人の腕をお腹から退けて、起こさないようにベッドを抜け出す。



「ありがとう、二人とも」



前世の私ではなく、幼なじみとして礼を言う。



二人が居てくれて、どれだけ助かってるか。




よしっ!!



ロードワークに行きますか!!




さすがにココで着替えるわけにはいかないので、服を持って階下に降りる。




だから、私の礼に二人がニッコリ笑ったことなど気付くことはなかった。



「おはよう、母上」



「おはよう、桜」



「今日は二人が泊まりに来てるから、朝ごはんお願いします」



「ふふ。相変わらず仲良しね。わかった、たくさん作っとくわ」



「うん」



「気を付けてね、くれぐれも知らない人に手裏剣なんて投げないでね」




ぬん!?



失敬な母上!!

私がそのような!!




本当に失敬………………………………………「はい」




一度…というか、何度もやらかしてる私は、母上の黒き微笑みに頷くしかなかったのであった。

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