第7話

「ちゃっかりってなんだ!!ちゃっかりって!!これは運命で必然だ!!俺と政宗さ…美冬が結ばれるためのっっ!!」




あいっ変わらず暑苦しい人ですね。



目をランランに輝かせて。



でも、本当に政宗様が好きなんだとわかる。



一途な一途な、時を越えた想い。



それには深く共感出来てしまう。



成実様ーー。




「誰が呼び捨てして良いって言った?」




しかしその想いは届かない。




「桜」



「ハイ」




政宗様の命に、私は手裏剣を投げる。


なんのモーションもなく。




「うぉっ!?とっ!?おー!?」


もちろん。

こじゅ様に。



進めの状態のままだった、こじゅ様は顔を左右上下に振って、必死でソレを避けた。



避けられた………。



手裏剣は、こじゅ様の毛を何本か切り落とし、再び壁に突き刺さる。




「政宗様。任務失敗です」


「まだまだね。桜。報酬は無しよ」



「あい…」



「任務ってなんだ!?おっ!?忍者、ごるぁっっ!?」




こじゅ様の問いに政宗様を見れば、ペイペイっと手を振られた。



喋ってもいいらしい。


本来、任務の内容は家族にだろうと話してはならない。



政宗様に頷いて、口を開く。




「こじゅ様の頭を、落武者風にしてやんぜ!!という作戦名の任務です」



「ふざっけんな!!止めろ!!」



全力の叫び。



止めろと言われても…。


私の現雇い主は政宗様だ。



報酬はずんだもち。



大好物です。




なんの因果か、前世の縁か。



家も並んで、生まれたときからの幼なじみの私たち。



それこそきっと必然で。


成実様。


あなた様に逢うための必然――――――――。。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る