入学式

第8話

『まーた豪快に生き倒れてんな。生きてるか?』


ああ。

これは夢だ。



成実様に初めて出逢った日の――――夢――。



『生き …』



生きてるわっっ!!



と言いたかったんだけど、お腹が空きすぎて声も出なかったんだっけ。




だから、ありったけの最後の力で睨めば。




『アハハハハハハ!!!!』



清々しくも朗らかに全力で笑われた。



びっくりした。




あの頃の乱世で、そんな毒気なく笑う人を初めて見たから。




面食らってたら、差し出された握り飯。




『食え』



『………いら…』




いらない。




そう言おうとした。



同情など、情けなど、いらないと。





ここで死ぬなら、それまでだと。



今、生き延びてもすぐにまた同じようなことになる。



ならば、もうココで。




そう思ってた。



だけど。




貴方は諦めなかった。

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