第6話

まぁ、この方、前世からモテるモテる。



だって、こんなにも美しいんですよ!?



いや…。



わたしも、いち女子として頑張ってますけどね!!



女子力を向上させようと!!




じゃないと、今世に生まれ変わった成実様が政宗様に惚れてしまう……。



ウルッッ……。


想像しただけで泣ける。



「何、泣きそうになってんの?あんた」



「…にゃんでもありやせん」




首を傾げる政宗様に、ブンブンと首を振る。




「ハ…」



「おりゃあー!!!!いつまで、俺はこのままで放置だーーー!!!?」



「「あ……」」




忘れてました。


すっかり忘れてました。


私、人を壁に貼り付けにしたまんまでした。



では、紹介しましょう。



「あ"!?待て!!このまま紹介する奴が……」




壁に青信号の"渡れ"マークの形で手裏剣で貼り付けにしてやった、この変態…間違えた、このお方。



「変態だと!?」




黒の短髪に黒縁眼鏡のイケてるっぽく見せてる男子。




「イケてるっぽく見せてる!?」



「いちいち、喧しいですよ。小十郎様」




そう。

奴の前世での名前は



片倉小十郎。



伊達の軍師で、政宗様の腹心だったあの片倉小十郎様。




今世での名前は



―実渕 咲―(みぶち さく)




前世の記憶は…………………………………………………………………………















ちゃっかり、ある。

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