第一幕

20XX年

第2話

"記憶"



"前々世"の記憶を持ってこの時代に生を受けた。


それが幸か不幸か、私にはわからない。



まあ、"前世"の記憶はまごうことなく不幸であったけれど。



なにしろ、"蚊"だった。


そう、あの"蚊"である。


血を吸うために人を襲い、すぐに叩かれ、前世はそこで終了した……うん。



そんな儚い(?)記憶を持つものだから、私は蚊を排除することが出来ず、血を吸われる一方である。



ムヒを開発してくれた人には頭が上がらないな。


……と、話がズレた。




"前々世"では私は忍で、たった1人の"主"に仕えてた。



あたしはその"主"に恋をした。



伝えられぬまま終えた、その恋。



伝えられぬままだったからか、今も色褪せぬ"恋"あの人への"想い"。



"伊達 成実"様。



我が主。



私が貴方の記憶を持って生まれ変わったのには、きっと意味がある。



その意味を知るために。


私は何十年かかってでも貴方を探し続ける。














成実様。



貴方が、この時代に生まれ変わってきてくれてると信じて――――――。










どうか、人に生まれ変わっててくれますように!!

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