月刊ホラースター編集部 永見大希④
もしもし。我妻さん? どうもどうも永見です。どうしました? 何かキャンプ場の事で進展あった感じですか?
…え、●●●キャンプ場の取材断られたんですか? 責任者の齋藤さんが、直接そう言ってきたんですか?
うーん…そうですか。ホラースターの記事は好評だったのに、それを読んだうえで拒否するなんて、僕らとしては少し
損害が出たらどうする、なんて言われたんですね…。まあ、キャンプ場の評判が大事なのはわかりますけど、有ること無いことなんて、我妻さんの記事にそんなものあるわけないのに。キチンと取材してますもんね?
それで、僕に連絡をくれたということは…何か出番ですか?お役に立てる事があれば。
ほほう。なるほど、私用のフリをして二人で現地に行ってみると。いや、確かにそれは良い方法ですね。正式な取材じゃないなら、齋藤さんも警戒しないかもしれませんし。
ただ、齋藤さんがその場でどう対応するか、正直分かりませんよね。電話での様子を聞く限り、少し感情的になっているみたいだし。
…僕は反対じゃないです。むしろ賛成派です。現地の空気を一度感じてみたいとは思ってたんです。ただ、行くなら計画はしっかり立てましょう。
例えば、どのタイミングで行くかとか、どんな体験をメインにするかとか。その場で齋藤さんと話すなら、どう切り出すかも質問とか考えておいたほうが絶対にいいですし。
それにしても…齋藤さん、何をそんなに恐れているんでしょうね。まあ、地元の事情は外からはわからない部分もあるんでしょうね。でも、我妻さんがこんなに警戒される理由って、何か裏がある気がしませんか?
え、編集長の提案ですか? さすがですね。確かに、こういうときの柔軟な対応力は見習いたいです。私用のフリをして、というのも絶妙なアプローチだと思います。
…ああ、ただし無理はしないでくださいね。我妻さん、最近少しお疲れのようにも見えますので。取材に行く前に少し休暇とか頂いたらどうです?5日くらいだったら仕事に支障は出ないはずです。
あ、そうだ。現地に行くついでに、キャンプ場の普通の利用客として写真を撮ったりするのもいいかもしれませんね。自然の風景とか、他のアクティビティも体験しておくと記事の幅が広がりますよ。
…いえいえ、そんな、お礼なんていりませんって。僕もこういう取材は大好きですから。なんせ、専門ですし。それに、我妻さんと一緒だと勉強になることも多いので。
じゃあ、早速予定を調整しておきます。日程が決まったらすぐに教えてください。それまでに僕も、現地の口コミとか、以前の記事をもう一度読み返しておきます。
はい、それでは。また連絡お待ちしてます!
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