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キャンプ場責任者 齋藤公平②

 もしもし。我妻さんですか。先日はどうも。わざわざ来て頂いて、ありがとうございました。


 あのホラースターの記事、うちの●●●キャンプ場が記載きさいされてると聞いて、読ませてもらいました。いやあ、驚きました。まさかあんなふうに書かれるとは。


 …で、またこちらに来て取材したいと?ああ、それは困りますね。もうこれ以上、何もお話しすることはありませんから。


 いやいや、悪いんですけど我妻さん。あの記事、どういうつもりで書いたんですか?うちのキャンプ場に多大な損害そんがいが出たら、どう責任を取るおつもりなんです?


 確かに、うちのキャンプ場に来たお客さんがいろんなことを言ってたり、見てるのは知ってますよ。だけどね、それをそのまま書いて面白おかしくして、こっちがどうなるかとかキチンと考えてます?


 特に、みっこちゃんの話。なんですか、あれ、あの記事のせいで、地元の人間から変な目で見られるんですよ。僕は何も知らない。本当に知らないです。ああ嫌だ嫌だ。全く迷惑な話だ。


 それからね、あの記事のせいでお客さんからの問い合わせが急に増えたんですよ。本当に幽霊が出るんですか?とか、心霊ツアーでもやってるんですか?とか。うちはキャンプ場ですよ!心霊スポットじゃないんだ!


 …ええ、そうです。地元の評判もガタ落ちです。予約のキャンセルも何件か出ましたよ。これ、全部我妻さんのせいだと思ってますからね。


 だから、もうこれ以上の取材はお断りです。来ても無駄ですから。 …いや、言っときますけどね。うちは何も隠してるわけじゃないんですよ。言わなくていいこともあるってだけの話です。言う必要も無いですしね。


 ほら、我妻さんもちゃんとお仕事してるんだから分かるでしょう?世の中には触れちゃいけないものってあるんですよ。そういうのに踏み込むのは、得策じゃない。


 …え?どういう意味かって?いやいや、言葉の通りですよ。深く考えないほうがいい。


 とにかく、うちのキャンプ場のことはこれ以上書かないでください。有る事無い事書かれちゃ、たまったもんじゃないんでね。


 まあ、我妻さんも忙しいでしょうから、もうこの件からは手を引いた方がいいですよ。ね?お願いしますよ。それじゃ、失礼します。

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