第5話  丹陽Side 私達の秘密

今回は少しえちち寄りです。

苦手な方はブラウザバックを推奨します。

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「…行った?恋乃華?」


「うん、お兄ちゃんなら…ほら」


部屋にあるカーテンを少し開けると、そこには家から出て制服姿で歩いている兄貴の姿があった。


…学校、かぁ…


正直、学校になんて行きたくない。もしかしたらまたいじめられるかもしれないし、クソ教師どもが何か、してくるかもしれないから。


でも、不思議と兄貴の制服姿を見ていると学校に行ってみようかな?と考えたりする。


そして、その考えの最後には兄貴と同じ制服を着て仲良く三人で一緒に登校する妄想が浮かぶ。


でも、私達をいじめてきた奴らと一緒の高校になんか行きたくないし、もし兄貴が守ってくれるとしてもそれはいつもじゃない。


当然、兄貴が守れない時があるし、その時は私達で身を守らないといけない。


その場合、私が姉として恋乃華を守れるのか?


…恐らく不可能だろう。なんなら自分自身すらも守れないかもしれない。


「…お姉ちゃん?大丈夫?」


「え?」


「右手…強く握ってたから…」


恋乃華にそう言われ、目線を右手に移すと、言われた通り、力一杯拳を固めている私の腕があった。


どうやら無意識のうちに力が入っていたらしい。


私は恋乃華に「大丈夫よ」と返し、「それよりも…」とニヤリと笑いながら問いかける。


「今日は何でスる?」


「…お姉ちゃん…お兄ちゃんから寝ろって…言われた、でしょ…」


そう言って、呆れて肩を落としながらこちらを見てくる恋乃華。


私は目を逸らしながら言う。


「…べ、別にいいじゃない。私達の趣味なんだし、いつやってもいいでしょ?それに、シてからの方がよく眠れるし」


「…まぁ、それは一理ある…」


「でしょ?だから早くシましょ?」


私達共通の趣味がある。


「恋乃華はこれ…お兄ちゃんの使用済みシャツ。回収するのも…隠すのにも、苦労した」


そう言ってドヤ顔をしながら一枚の大きめの黒いシャツを披露する妹。

フッ…甘い、甘いわね。やはり妹など所詮そそで終わるのよ。


「それで、お姉ちゃんは…何…持ってきたの?」


おっと、考えすぎて私が披露するのを忘れてたわ…

いいでしょう、恋乃華の姉としてどれだけ私が凄いか教えてあげなきゃね。


「フッフッフッ…恋乃華、あなたは兄貴のシャツで自慢してたわね」


「うん…ただのシャツじゃなくて…使用済みだから…ね、お兄ちゃんの汗とか匂いとかバッチリ残ってる…」


親指を立ててグッドサインを出す恋乃華。


…残念だけど、その顔は今から悔しい顔になるのよ。


「甘いわね、恋乃華…そんなんじゃ私を超えられないわ」


「むっ…お姉ちゃん、前はお兄ちゃんのペンだったでしょ?流石に恋乃華以上のはない…まさか…」


「そう、そのまさかよ…私が持ってきたのは…」


そう言って、私は自分の胸元から黒いを取り出す。


「兄貴がお風呂に入ってる間に回収した…パンツよ」


「なん…だと…恋乃華を超えるものが…あるなんて…」


恋乃華は悔しそうな顔をして右手を床に叩き付けた。


「ふふん、今回も私の勝ちね」


「ぐぬぬ…次は恋乃華が勝つ…」


「精々頑張りなさい…それじゃ、早くスるわよ。流石に少し眠くなってきちゃったから」


先程話した私達共通の趣味、それは―――


「ん…あっ…」


「ふにゅっ…!あんっ…!」


兄貴大好きな人の私物でスること。


…そう、私達は兄貴のことが大好きだ。それも、家族としてではなく一人の男として、性欲の対象として。


実の兄相手に欲情するなんてとんでもないこと?

…確かに、その通りだ。


でも、それ《血の繋がり》がなんだ?私達からすれば、そんなものなど些細なことでしかない。


逆に問う。誰も味方がおらず、無実であるにも関わらず責め立てられ、ありもしない噂の所為で教師や同級生からは肉欲の対象として詰め寄られる中で唯一の心の支えがなくなった時に全てを包みこんで、私達を嫌なものから守り、今の今まで支えてくれる人がいたらどうだ?それが家族であれ、異性だったのなら。


もしかしたら、人によっては違うかもしれない…けど、大事なママがいなくなった私達からすればそんな存在は依存してしまうに決まっていた。


確かに、私達も初めはただただ依存するだけで、欲情なんてしていなかった。


でも、兄貴はどんなに自分が苦しくても、それを私達の前では健気に振る舞い、として生活を支えてくれた。


ゲームだって誘えばやってくれたし、欲しい物も高くてもクリスマスや誕生日なんかでプレゼントとして買ってくれた。 


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午後にもう一話投稿します!

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