第2話
俺の前世では、【華が舞い散り雨の音】というエロゲが存在していた。
煩悩の塊であった俺は偶然このエロゲの前作をやっていたことでゲームを知ることになった。
結論から言おう…このゲームは所謂鬼畜エロゲだ。
沢山のヒロインが用意されてキャラデザ、ストーリーなども凄く充実しているが、その中でヒロインと結ばれるルートがとんでもなく難しい。
事前情報もなしに起こるランダムイベントに選択を間違えただけでヒロインをルートが途絶える…ゲームに時間の概念があったため、中には時間制限の掛けられたものまであった。
そして、ルートが途絶えたり、ランダムあに失敗すればバッドエンドが待っており、大抵が強姦やNTRなのだ。中にはヒロインが病死するなどもあるが、それでも大抵が脳破壊をしてくる。
そうして、数々の困難を乗り越えた先にあるヒロインとのエッチシーンと幸せのエンディングでこのゲームは終了する。
当時プレイしていた俺は余りの難易度に何度もゲームを投げそうになった程だ。
そして、そのゲームの舞台がまさにこの高校なのだ。
中学の進路相談の時にこの高校を知り、俺はこの世界が鬼畜エロゲであると気づいた。
元プレイヤーとして、ヒロインのバッドエンドは絶対に回避したいというのが俺の本音だ。
家族のこと、そしてヒロインのバッドエンド回避…要はシナリオブレイク。これが俺の生きている理由である。
「さて…明日は早いし、早く寝よう」
明日から高校は始業式であり、丁度ゲームが開始される日でもある。
明日から山積みになる問題を解決すべく、俺はいつもよりも早く床に着くのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます