限界家族のモブ長男

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プロローグ

第1話

…俺が転生してから長い時か経った。その間に気づいたことをいくつか思い出そうと思う。


まず、俺の家庭は限界家族であった。


父は俺ら家族を残して新しい女を作って蒸発、母は蒸発前に作っていた父の借金を肩代わりし、なんとか返済を完了させるも過労で倒れ、俺が高校へと入学すると共にそのまま帰らぬ人となった。


弟は昔から体が弱く、部屋でほぼ寝たきり。妹は学校でいじめに遭い、ほとんど塞ぎ込んでしまうようになった。


まともであるのは俺だけ…と、言いたいところであるが、俺自身も全く大丈夫という訳ではない。


本来、いるはずの支えてくれる親がいない為に家族の面倒や生活費稼ぎにバイト、高校にも通っている為に学業もしなければならない。


無駄に体が頑丈だった父の血を引いているからか、幸いにもこんな生活を送っていても余り体調を崩すことはなかった。


…でも、人間というのは余りにも脆弱な生き物で、苦しい生活を一年と繰り返していれば精神は擦り減り、もはや生きることに希望を見出せないのである。


ならば早々に人生を退場…と言う訳にはいかない。


死に際の母からは姉弟をことを任され、俺自身も

あの兄妹のことは愛しているからだ。


俺がいなくなればあの子達はどうなる?


そんなもの、分かりきった答えだ。


だから俺は生きているし、他にも需要な問題があるから生きている。


その問題とは…俺が現在通っている高校、『華舞妓はなぶき高等学校』である。



―――――――――――――――――――――――

初投稿ですので、暖かく見守ってくださればありがたいです!!


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