9日目

 中毒死した。


 獲物を追って、知らない土地まで来てしまった。地面が温かい。あちこちから蒸気が立ち上っている。普段より呼吸が少し苦しい。


 だが、獲物の痕跡は確かにある。足跡が続いている。茂みの向こうで何かが動いた気がする。


 さらに奥へと進む。


 空気が変わった。


 喉がヒリヒリする。目が痛い。息苦しさが増してくる。


 立ち止まって周囲を見渡す。地面の割れ目から、黄色みがかった霧のような物が立ち上っているのが見えた。火山性のガスだ。危険な場所に来てしまった。


 すぐに引き返そうとする。だが、どの方向を見ても同じような霧が立ち込めている。来た道も分からない。


 呼吸が苦しくなる。肺が焼けるような痛みを感じる。


 羽ばたいて上昇しようとするが、体が言うことを聞かない。筋肉が硬直し始めている。


 咳が止まらなくなる。目から涙が溢れ出る。喉が焼けるような感覚。


 酸素が足りない。頭がクラクラする。地面に崩れ落ちる。


 視界が霞んでいく。


 次は、地形の変化により注意を払い、危険な場所には近づかないようにしよう。空気の変化にも、もっと敏感になるべきだ。


 意識が闇の中へと沈んでいった。

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