4日目

 踏み潰された。


 今日は慎重に行動しようと決めていた。

 

 高台に登り、周囲を観察することにした。ここならば、何が起きているのかよく見える。太陽がゆっくりと昇り、大地を照らしていく。朝もやの向こうに、小さな獣の群れが見えた。


 私は高台から岩陰に身を潜め、彼らの様子を見守った。赤みを帯びた草を好んで食べているようだ。茎を丁寧に選り分け、柔らかな部分だけを食む。私もそれを試してみようと思った。


 群れが去るのを待ち、その場所へ降りていく。赤い草は鮮やかに目立っている。茂みを抜けようとした時、地面が揺れ始めた。


 轟音と共に影が差す。


 見上げた先には、巨大な生き物の腹が広がっていた。驚いて逃げようとした時には、もう遅かった。


 巨大な足が振り下ろされる。


 激しい重圧が全身を押しつぶす。骨が砕け散る音。内臓が押し潰される感覚。


 目の前の獲物に気を取られ、周囲への警戒を怠っていた。視界が暗くなり、すべてが闇に溶けていった。

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