第8話

声で部屋に入ってきた相手が誰かなんてすぐに分かった。否、ノックもせずにいきなり侵入してくる人なんて一人しかいないのだから当たり前に分かる。





ノートから視線を離すことなく先程の棘のある台詞を吐きだせば、




「茜ちゃんこそ。何度言っても無駄だってはやく気が付けば?」




まったく反省なんてしていない、それどころか正論を述べている筈の私の方が可笑しいとでもいいたげな言葉が返ってくる。

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