第7話

「…ノックくらいしてって、何度言えばいいの?」





学校から家に帰り自室に篭り勉強をする。もはや日課となっているいつも通りの日常を私は真っ当していた筈なのに。




その人物がノックもせずに扉を開いた事により私の"いつも通り"は呆気なく崩される。





仮にも女の部屋なのに。高校2年生というJKブランドを持ったレディの部屋なのに。ノックもせずにいきなり扉を開け放つのは如何なものかと思う。




勉強に集中しているのもあるけれど、野良猫のように身軽なこの男が部屋の近くに来たところで私は気配すら感じることはできない。




だから私が彼の存在に気がつくのは今のように部屋に侵入され声をかけられた後と、いつも出遅れる。

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