第15話 こんな身体でも…
空は、舞と別れた後…
本当は、また明日でも会いたい気分だった…
俺は、どうしたんだろう?
中学の時は、舞のことを何とも思っていなかったはずなのに…
栞と別れてから、友達が
「失恋には新しい恋が一番だ!」
って言って来て…
何人か紹介されて会ったけど…
ドキッとすることなんてなかった。
だけど、舞に会った瞬間に…俺はドキドキして
胸がざわざわした。
昨日だって、そうだ…
ずっと、胸がざわついていた。
本当は、また明日会える?って聞きたかったくらいだった…
それは、流石にって思って抑えた…
なんか…舞のことは、すごく気になる…
それから俺は、暇があれば舞にメールした。
舞の仕事の状況も分からないから把握したいってのもあったけど…
舞からは、メールを送る度に返事が来た。
舞は、俺のことを嫌っているわけじゃなさそうだ…
舞の休みの前日になると…
一緒にご飯を食べに行ったり…
休みが合えば、ドライブに行ったりした。
舞は、本当に良い娘だった…
話も合うし、一緒にいると楽しい。
なんて説明していいか分からないけど…
俺のことを真っすぐに見てくれる。
そんな人は初めてだった。
そのうち…舞は俺のことをどう思っているんだろうって気になった…
舞は俺の足や病気のことをどう思っているのかな…
空は、自分の足や病気のことがあるから…
積極的に恋愛が出来なかった…
舞と再会して、数か月が経った頃…
俺は、気持ちをぶつけることにした…
「藤本…俺とこうして会うのは嫌じゃない?足のこと…恥ずかしくない?」
「私は、嫌じゃないよ。足のことも全然気にならないよ…」
「それならいいんだけど…」
「どうしたの?急に……」
「いや…俺、藤本とこうして会うの楽しくて…また会いたいって思うんだ。これって藤本の事を好きってことなんだと思う…。俺と付き合うのは嫌?」
おそるおそる聞く空…
「私も、同じ気持ちだよ。また会いたいと思うし…ずっと一緒にいたいと思う…私ね、ずっと言えなかったけど、空くんのこと…中学の頃から好きだったんだ…でも栞と付き合いだしたから、気持ちは告げられなかった…だから、こうして会えたことが嬉しくて……私でよければ、付き合って下さい」
「そうだったんだ…俺、何も知らなくて…ごめん。でも、嬉しいよ。ありがとう」
俺は、そっと舞を抱きしめて…キスをした。
******
舞は再会してから、空がメールくれること…会ってくれること
毎日が楽しくて仕方なかった。
空が、どう思って会ってくれているのか気になった…
友達としか思っていないのかもしれない…
気持ちを打ち明けたいと何度も思ったけど…
勇気がなくて…
でも、こうして空が告白してくれたことが嬉しかった…
私の初恋は実らないはずだった…
なのに、何が起こったの?
嬉しいけど…
心配でもあった…
でも、空が毎日メールをくれて…
毎日、迎えに来てくれて…
休みが合えば、一緒に出掛けて…
あんなにも想っていた空に触れることができるなんて…
夢みたいだった。
そんな日々が、楽しくて…
幸せ過ぎて、不安になるくらい…
本当に、幸せ…
私たちは、本当に愛し合っても大丈夫なんだろうか…
不安もあるけど…
これからのことは、考えず…
今を大切にしよう…
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