第14話 聞きたいこと…

空は、舞からの返事に気になることがあった。



聞きたいことって何なんだろう?



俺に聞きたいことって何?



確か…中学校の頃、舞は栞と仲が良かったはず…

だから、栞とのことは知っているだろうし…



ま、会ったら分かるか…



どこで、ご飯食べようかな…



調べておこう。

車だから飲めないし…



どこにしようかな?

空は、ネットで色々調べた。





そして、土曜日…

空は、19時から舞の職場の駐車場に車を停めていた。



舞からは、19:15に



―――今、仕事終わった。もう来てる?



ってメールが来た。



―――もう着いてるよ。平面駐車場の入口近くに停めてる。



―――了解。



空は車の外で待っていた。

すると、舞は走って現れた…

舞の息遣いは荒い…



「走らなくてもいいのに…」


「いや、待たせたら悪いと思って…」


「全然、気にしないでいいのに…」


「さて、どこに行こうか?藤本は、何でも食べれる?」


「うん。あまり好き嫌いないから何でもいいよ」


「そうか。車停めれる所だと、あまりオシャレな店がないけど…」


「どこでも、いいよ」



空は、車を走らせて…

郊外の、少しオシャレなお店に向かった…



「待たなくても、入れそう…良かった」


「そうだね」



店の中は、静か目の洋楽が流れている。

案内をされて、席に座った…



「今日は、誘ってごめんな。久しぶりに色々話したかったから…」


「こっちこそ、話したかったから良かったよ」



中学の友達や先生の話で盛り上がる2人…

そして、今の職場の話…



舞は、栞のことを聞きたいと思いながら…

そのきっかけが見つからなかった。

栞も一緒かと思ったけど…空くんは1人で来た。

どういうことなの?



少し、沈黙が続いた後…



空が口をひらいた。



「そういえば、俺に聞きたいことがあるって書いてたよね?何だった?」


「あ……そうだった…。徳島くんって栞と付き合ってたよね?栞とは、どうなったの?」


「え!藤本は、知らなかったの?栞とは別れたよ」


「えっ…いつ?」


「もう、3年になるよ…。藤本は、栞と仲が良かったから知ってると思ってた」


「栞とは、高校の途中から疎遠になっちゃって…私、大学に入って番号変えたし…」


「そうだったんだ…俺は、結婚しようと思ってたんだけどね…」


「なんで、別れたの?」


「あまり、言いたくないけど…栞が浮気してさ…恥ずかしいでしょ?」


「そうだったんだ。私は、てっきり…まだ続いていると思ってた。だから合コンに、徳島くんがいてビックリしたんだよ」


「そうだったんだね…」





舞は、勇気を出して聞いてみた。



「今は?彼女いるの?」


「いないよ。いたら合コン行かないでしょ?」


「そうか…頼まれて来てたのかと思ってたよ」


「藤本は?彼氏いるの?」


「いない…私も、別れて2年になるかな…」


「そうか…お互いに恋愛には苦労してるな…栞は、結婚したらしいよ」


「えっ、そうなの?全然知らなかった…」



ご飯を食べ終わって…

空が、舞の家まで送ってくれた。



車の中で、空は



「藤本、また会える?」


「うん、会えるよ。連絡して」


「了解です!」



そう会話をして空は帰っていった。



舞は、空と栞とのことがハッキリして良かったと思った。



でも、それと同時に…不安が襲い掛かる…



私の、初恋は実らないはず…

この、再会はどういうことなの?

空くんに、また何か起こるのではないかと…

不安でいっぱいだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る