第13話 連絡

空は、合コンで舞に会った瞬間ドキッとした…

そして、それが舞だったと分かった時…

なぜか…胸がざわついた。



合コンで、もっと話したかったけど…

あまり話せなかった。



空には…


―――舞と、もっと話したい…



そんな気持ちが沸き上がった…



舞の連絡先は知らない…

このまま、別れてしまったら

なぜか…後悔するような気がした。



気が付くと…

足が、舞の方に向いていた。



そして、連絡先を交換して帰った。



ただ、いつ連絡しようかと…



翌日も、そのことばかり考えてしまった…



夜になり…

ずっと、スマホの画面を眺める空…

栞と別れて以来、誰とも付き合っていない。

栞と付き合うきっかけも栞からの告白だった。



いつも女子に話しているように、軽く連絡してしまえばいいだけなのに…

なぜか、戸惑ってしまう。



でも、このまま連絡をしないっていうのは

無理だと思った。



何時間も、スマホを開いては閉じるを繰り返した…



とりあえず、文面を考えよう。



―――この前は、ありがとう。久しぶりに会えて嬉しかったよ。今度、ゆっくり会えないか?



考えた末に、書いた文章がこれだった。

気が利いた言葉が出て来ない…



後は、ボタンを押すだけ…



―――どうとでもなれ!



空は、ボタンを押した。





  ******





舞は、合コンで会った空の事ばかり考えていた。

あれからというもの、頭の中は空の顔ばかり浮かんで来る。



どうして、また会ってしまったの?

栞と空は、どうなったの?



そのことばかり…考えていた。



会って、その話を聞きたい…



連絡してみようか…

でも、自分から連絡するなんて出来ない…



せっかく空が連絡先を交換しようって言ってくれたんだから…

連絡してもいいんじゃないかな…

自問自答していた。



舞も、空と同じように

ベッドに横になって、スマホを開いては閉じるを繰り返していた…



そんな時…

スマホが鳴り…画面には、空からのメッセージ………



舞は、飛び起きて…

メールを開いた…



・・・・・今度、ゆっくり会えないか?



って書いてある。



舞は、嬉しくて…



すぐ、返事をしようとした。



返事を書いては消し…

それを繰り返す…

気が付くと…

1時間経過していた。



早く、メール返さなきゃ…



―――連絡ありがとう。私も久しぶりに会えて嬉しかったよ。ゆっくり会って話したい。聞きたいこともあるし…



そう、返事をした。



空からは、すぐ返事が来た。



―――次の休みはいつ?土日は仕事だよね?



―――会うならいつがいい?昼?夜?



―――そうか…夜ご飯食べに行こうよ。



―――それなら、来週の日曜日が休みだから、土曜日の仕事終わってからでもいい?



―――全然、いいよ。俺、迎えに行くよ。



―――ありがとう。じゃ、職場に迎えに来て貰っていい?19時半なら出られると思う。



―――いいよ。じゃ、土曜日に…



―――仕事終わったら連絡するね。



舞は、モールに勤めている。

だから、迎えに来て貰いやすい…



空に会えるんだ…

嬉しい…

でも、これって2人で会うの?

もしかしたら、栞も来て驚かされるとか…

そうかもしれない…



空が、もし1人で来たら…

絶対に、栞のことを聞こう。



何がなんでも、絶対に聞く…

そう、決めた。

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