第11話 最強の勇者

いつも太陽は仕事帰りに、凛子の所に当たり前のように来て、「晩御飯」を食べて帰っていたのだった。



凛子の中で、離婚をしてから特に…「当たり前」に思われる事に物凄く疑問を感じるようになっていたのだった。



なぜか?

凛子は疑問を感じて、変えたい自分なのに…。

苦手なのか?習慣なのか?分からないが…。

今、現在もなお、「当たり前」に思われる事が多かったのだった。



凛子の好きな偉大な人であるマザー・テレサの名言で、

「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。 言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。 行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。 習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。」



この名言を元に、更に凛子が最近、取り入れたい思想家の心理学でもある「アドラー心理学」を太陽で実行してみたいと思ってして来ているのだ。



中でも気になっているのが、このアドラー心理学なのだ。

「相手を変える事は出来ない、変わるのなら自分自身だ」



凛子は太陽と出逢って、このアドラー心理学を意識して、そこに「凛子らしく生きること」は?に繋げてきている。



今回の「食費」という課題も、また凛子自身が、自ら変わりたい自分に変わる事が出来るチャンスなのだ。



凛子は人に「催促」をするのが苦手なのだ。

それも「食費」という名の「金銭」を要求するだの…

凛子がもっとも不得意な分野なのだった。



まるで借金を取り立てる人みたいな事を言わないといけないと思うと…心が痛くて苦しくて耐えられなかった。



ーひとりではもう限界…。

 勇気がほしい…。



凛子は宇宙は母親の介護で、宇宙は忙しいと思いながらも、宇宙からの「愛情カツ」をもらいたくて連絡をしたのだった。



宇宙は一つ返事で、時間を作るから!!待ってて!!と言ってくれた。



そしてふたりの基地で、久しぶりに会って、宇宙にここまでの太陽との事をゆっくりと話したのだった。


宇宙:

「凛ちゃん、話してくれてありがとうね。

僕は些か、厳しい事を凛ちゃんに言うけどいいかな?」



凛子:

「うん!

 むしろ、その方がありがたい!今日は、宇宙からカツ!をもらいに来たの。」



宇宙:

「うん!わかった!

 今、凛ちゃんは太陽さんから「食費」をもらえなくて、葛藤しているんだよね?」



凛子:「うん!そうなの。」



宇宙:

「僕からしたら毎晩、凛ちゃんに、太陽さんが晩御飯を作ってもらっているのに、「食費」を渋って払わない事が、信じられないよ!」


「でも、そういう人間がこの世にいて、何食わぬ顔で厚かましく存在している事も知っているよ。」


「凛ちゃんは、この手の人間には特に苦手だというのはわかる。

 凛ちゃんは慈悲深い女性だからね。

 だけど、この問題から仮に今、逃げたとしても、良い事にはならないと僕は思うんだよね。」



凛子:

「うん…そうなの…。

 でも、このぐらいの「金銭」で、目くじら立てている自分がカッコ悪くて…。なのはあるのよね。



宇宙:

「このぐらいの事じゃないと思うよ。

 毎晩、無料でご奉仕していたら、1ヶ月でも何万にはなると思う、それを1年したら、かなり金額になるよ」


「太陽くんとは長く付き合って行きたいとは思っているんだよね?


 今はまだ凛ちゃんが、事の重大さを、始めたばかりだから分かっていないと思うけど、必ず、後にこの「食費問題」が、とても大きな喧嘩に繫がって、それが元で、別れる流れになるもや知れないからね。」



凛子:

「でも、どうしても言うの苦手なんだもん………シクシク……。」



宇宙:

「凛ちゃん、泣いてても、物事は解決しないよ!!


 この事から逃げて、楽になれるのならいいけど…


 自分の人生からは、逃げられないよ!!


 しっかりしろ!!凛子!!」



凛子は大泣きした。わんわん、カッコ悪いぐらい宇宙の胸で泣き続けたのだった。



宇宙は、そんな凛子の頭を撫でながら、優しく、

「凛ちゃんはここら辺で終わるような女じゃないでしょ?」と諭すのだった。



凛子は、ハッとした。

そう…凛子はずっと今まで、どんなに辛いことがあっても…。

自分に、いつもこの言葉「ここら辺で終わるような女じゃないわ!!」を暗示のようにかけていたのだった。



なんで?

宇宙はわかったのだろ??



宇宙は時々…凛子は何も教えてもない言葉を言ってきたりするのだ。



やはりこんな所も「魂のふたごちゃん」なのかも〜っと思えて来る事で、


凛子は、「ひとりじゃない!!凛子には最強の宇宙がいるわ!!」と内側から勇気が湧いてきたのだ。



凛子の奥底から、ココロが、「わたしもいるじゃない!!」とすねている。



凛子:

「ココロ…。私がんばるわ!!」


ココロ:

「うん!!私はあなたの味方だから、思いっきりやりなさい!」


 

 凛子はココロと一心同体なのだ。凛子は一人じゃあない!!

自分を信じてやってみようと思ったのだった。



凛子は、今度こそ!!

太陽に伝える覚悟を持てたのだった。



当たって砕けろだ!!









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