第10話 凛子は専務?
先日、太陽のお母さんが長年の病の末、他界されたのだった。
その事で、凛子と太陽との生活に大きな変化が起き始めたのだった。
今まで、太陽は、実家で妹さんが作ってくれた晩御飯を食べていたのだが・・・。
お母さんの他界をきっかけに、妹さんは離婚を決意して、実家を出て行ったのだった。
そうなると、今まで晩御飯を作ってくれていた妹さんがいないので、太陽と、太陽の父は自分達で作って食べないといけなくなったのだった。
それで太陽の父の提案で、別々に晩御飯は食べようという事になったのだった。
太陽は、突然の事で、どうしょう?って思ってしまったようで、いきなり凛子の家に「30キロの米袋」を持って来たのだ。
凛子はいきなりの事で、びっくりしてしまった。一言でも、相談して、事情を話してくれた上での行動をして欲しかったと太陽には伝えたのだった。
凛子は太陽の横暴な言動に引っかかりを物凄く感じたので、凛子の父に相談したのだった。
それで父という大黒柱が凛子にいるぞ!!って事を太陽の頭の中に入れておいてもらった方がいいと思ったのだった。
凛子は離婚後、かなり以前と違って、物凄く、慎重さが増していて、些細な事でも、引っかかったことは、スルーせずに、一つずつ丁寧に対処していく事を心がけていたのだった。
実は、太陽には最初っから、過去の話を聞いていて、些か、「ヒモ気質」さを感じている所はあるのだ。
それはなぜかと言うと、元奥さんと付き合ってる時に、元奥さんのアパートに太陽が、転がり込んで同棲をしていたからなのだ。
男性の一人暮らしの家に女性が住むようになるのは、自然な気がするのだが、逆はどうしても?凛子の中で、「ヒモ気質」さを連想してしまうのだった。
凛子はこう見えて、洞察力に長けていて、外れたことはあまりないのはあった。
太陽とは何かに、どうも「お金」という所が引っかかっている凛子であった。
なので凛子の父に、太陽がどういうつもりで、「30キロの米袋」をいきなり持って来たのか?二人で話してもらったのだった。
しかし、太陽の口に上手く乗せられてしまい、ちゃんとした真意を聞ける事なく、
父は、「太陽君は凛子が思うほど、悪い人じゃあないと思うよ。」で終わってしまったのだ。
そう、太陽は仕事柄、営業マンでもあるし、容姿も雰囲気も、話しぶりも、言葉遣いも、めちゃめちゃ紳士で、やわらかさをかもし出している和み系なのだ。
元夫の星夜とは180度真逆なタイプの男性なのである。
なので、太陽と付き合ってから、周りの人からの評価が物凄くいいのだ。
凛子と太陽が買い物をしている所を、凛子の会社の人が見かけたみたいで、その時は声をかけてはなかったが、会社で、わざわざ凛子の所に来てまでも、とっても雰囲気のいいふたりだったね~と伝えたかったと言われたり。
太陽と出掛けていてお祭りとかがあって、全く知らない人にも、「とってもふたりを見てると和むよぉ~。」って言われたり。
元夫の星夜の時は、周りからは「あの人はやめた方がいい、感じが悪い…。」苦情ばかりだった。
太陽に対する周りの高評価は凛子には嬉しいよりも、皆、太陽に騙されてるだけなんだろうか?と逆に疑う所があった。
180度違う相手と付き合うようになると、このように何もかも、違う周りの反応やら、凛子との出来事等にしても、今まで味わった事もない数々の事を体感するものなんだなぁ~っとしみじみ思ったのだった。
今までは、目の前の事にとにかく取り組まないといけないとか、試練を乗り越えなきゃとか、生きて行く事に必死な生き方をしていた凛子だったように思う。
でも、太陽はそんな凛子の生き方を変えてくれるために必要な人だと、凛子の直感で感じたのはある。
まだ今の凛子には何がどのようになのか、具体的な事は分からないが、太陽と出逢って、凛子は確実に、「凛子らしく生きられる」自分になれている事を感じられてはいた。
そして、今回、太陽の言動の変化で、そこに向かって行ける為の「課題」が凛子に与えられた気はしたのだった。
凛子は自分のこういう「課題」に対して、石橋を叩いて、丁寧に、一歩ずつかみしめながら、そこで何かに気付きながら、確実に自分の実にしていく所がある。
それだけ凛子の意識が、「凛子らしく生きて行く」志が高いという事なのだ。
まずは太陽と、この問題に真摯に向き合って行こうと思った。
きっと、太陽は凛子ほど、この事に対して、そこまで考えてはいないように思う。
自分にできる事はした!!それだけだと思った。
今夜は太陽とじっくり話したいので、時間を作ってもらった。
凛子:
「あのね、太陽がいつも仕事をしていて、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)の中で、していないなぁ~って思う事って、なんだったりする?
太陽は、いきなり唐突に、凛子はなにを聞いてきてるんだ…。と驚きながらも、こういう質問の仕方をしてくる凛子の個性さは嫌いじゃあなかった。
太陽:
「う~ん、そうだなぁ~。「相談」かな。」
凛子:
「やっぱり…そうだったのね、太陽と一緒に過ごしてて、そう感じる事が多かったんだよね。」
「今回の「晩御飯」の件に関しても、太陽の動きってそうだなぁ~って思ったから、
この質問をしてみたの。」
「仕事でも、「相談」しない事で、支障起きたりはしてないのかな?」
太陽:
「それが…。仕事でもその事をよく言われる事が多いんだ。」
「凛子は、専務みたいだ。」
凛子:
「専務?どういう事だろう?」
太陽:
「実は、以前に俺に対して、何かにツッコミ入れて来る人で、俺自身は別に何も問題ないし、上手くやっているのに、やたらめったら、口を出してくる人だったんだ。
でも、その人が凛子と出逢う前に退職して行ったんだよね。」
「若い頃は、専務がうざくてたまらなかった。だけど、人歳を取って来ると、専務って偉大だったなぁ~って思ったんだよね。」
「凛子と出逢って、いろいろ凛子に突っ込まれるたんび、「わっ!専務だ!」って思ってたんだ。今、初めて凛子に言ったけどね。」
凛子は、太陽とは穏やかにこうやっていろんな話をする事が出来る相手なので、安心して質問したり、話せたりするのはある。
だが、きっとこれから太陽と真摯に話し合っていく「課題」は、太陽にとっても、恐らく凛子にとっても「苦手な課題」ではある事は分かっていたのだった。
でも、だからこそ、凛子の方から勇気を出してこの「課題」に取り組み、「号令」をかけて行く必要があると思ったのだった。
いよいよ!!凛子が立ち上がる時が来たのだ!!
頑張れ凛子!! 恐れるな凛子!! 自分を愛し信じて打ち勝て!!
ココロが凛子に叫んでいる。
シリーズ第3弾~トリプルレイとツインレイ凛子と宇宙の魂のふたごちゃん物語(出逢って9年~14年) 勝美 あい @airintyan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。シリーズ第3弾~トリプルレイとツインレイ凛子と宇宙の魂のふたごちゃん物語(出逢って9年~14年)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます