第9話 宇宙の自問自答

最近、20代以来からの友人の「ゆうじ」と宇宙は久し振りに会ったのだ。


そして、話は昔話となって行き、宇宙が「ひとみちゃん」と結婚したくて葛藤してた

同時期に、宇宙の友人の「ゆうじ」が彼女側の親から反対されていて、結婚を悩んでいたよなぁ~って話題をしたのだった。


宇宙は、家に帰って来て、夜寝る前に、ふと…。


「ゆうじ達」はお互いに、同じ気持ちだったから、親に猛反対されても…。

乗り越えられて、結婚出来たのか?


だけど、宇宙と「ひとみちゃん」は、宇宙だけが結婚したい!!って気持ちが強いだけだったから、成婚出来なかったのか?


「ひとみちゃん」は、なんで?僕と結婚してくれなかったんだろう…。



そんな事をまたとめどなく…グルグル堂々巡りをしていたのだった。


宇宙は、何か?ヒントになるものが欲しくて…

YouTubeのタロット三択占いで、「過去、別れた人が今どう思っているのか?」をやってみたりしていた。


しかし、どれをやって見ても…いまいち、しっくりこない…。


こういう時は、凛ちゃんに話して、何かこれっていう「ヒント」をもらおう!!

そう思った宇宙は、凛子にlineをした。


宇宙:

「凛ちゃん、おひさ~。元気にしてた?」

「もし、よかったら久しぶりに基地で会いませんか?」

「ちょっと聞いてほしい事があって…。」



凛子:

「ほんと、久しぶり~。ぼちぼちやってたよ。」

「うん!凛子も話したい事あるから、会おうね。」

「いつにする?」



宇宙:

「そうだなぁ~。2週間後の日曜日どう?」



凛子:

「OK!!じゃあ、2週間後の日曜日にね!」



宇宙は、いつlineしても、テンポのいい凛ちゃんに、清々しい気持ちであった。


 

今日はとっても晴天で、風は冷たいけれど、空は青く清みきっていた。



凛子:

「宇宙~おはよう!!」



宇宙:

「凛ちゃん~おはよう!!」

「実はね、僕ね、ちょっとまた「ひとみちゃん」の事でモヤモヤしてて…。

凛ちゃんに聞いてもらって、分析して、客観的な意見とかもらえたらと思って。」



凛子:

「うん!わかったよ。それでどんなこと?」



宇宙:

「実はね、「ひとみちゃん」ってなんで?僕と結婚してくれなかったんだろう?って

思ってね。」



凛子:

「なるほどね~。以前、宇宙から聞いた話を少し整理するね。

 ひとみちゃんは、宇宙のおかあさんといっしょに暮らせないって断って来たんだっけ?」


「私が思うにね、ひとみちゃんって、まだ21歳だったよね?本人の中で、まだ「結婚」って物を具体的に考えた事がなかったような気がするのよね。」


「宇宙とは恋人同士でまだ居たかったんだと思うんだよね。」


「宇宙は、ひとみちゃんは、凄く大人な人だったように言ってたけど…。

 私が感じるひとみちゃん像は、やっぱりまだ21歳だし、話を聴いていると…

 子供な感じがするのよね。」


「宇宙の方がひとみちゃんよりも7歳年上だったし、宇宙は結婚相手を求めていた。」



宇宙は、凛子の冷静な分析の洞察をじっくり聞いて、整理整頓していた。


宇宙:

「うんうん。すごく凛ちゃんのお陰で、改めて冷静に全体から見つめる事が出来ているよ。」


「そうそう、21歳で、まだ遊んでいたかったのはあると思う。「結婚相手」というよりは、僕の事は「恋人相手」として好きだとは思ってくれたと思う。」


「でも、僕自身が、結婚をしたい願望が異常に強かった。もちろん、それは「ひとみちゃん」だからこそ…。その思いがより増したのはある。」


「ひとみちゃんが…。凛ちゃんからは子供に感じるんだね。僕と見解が真逆だね~。でも、言われてみると…腑に落ちる所もあるよ。」


「僕は、宇宙くんのおかあさんとは一緒に暮らせない!!」って言われたことが一番ショックだった。

僕の大切な母親を侮辱するな!!と腹が立った。



凛子:

「あくまで私は、宇宙が語ってくれる話の中で分析したり、洞察したりしてるだけだから、当人の宇宙が一番、ひとみちゃんの真意には詳しいと思うよ。」


「う~ん。きっとその言い方が子供かなって思ったのよね。ハッキリわかりやすいと言えばそうなんだけどね。

宇宙も、そこでどんな所が、ひとみちゃんの中で、僕の母と暮せないと思ったの?って冷静に聞けたら、また違ったのかもだけど…。

でもまぁ、それも含め、、、「縁」があるか、ないかなんだろうと思うわ。」


「ちなみに、ひとみちゃんが「宇宙のおかあさんとは暮せない!!」と思うに至った出来事はあったりなのかな?」



宇宙:

「この事かなって思う事があってね、僕の家に、「ひとみちゃん」が遊びに来た時に、僕の家で、一緒に3人でご飯を食べたことがあって、「ひとみちゃん」が、礼儀正しい子だから、食べ終わった食器を台所に持って行こうとしたんだ。

そしたら、僕の母が「勝手に台所に入らないで!!」って

大きな声で叫んだんだ。

僕の母は、結構口調がキツイんだよなぁ…。」



凛子:

「なるほど~。それはちょっと、おかあさんに対して、抵抗は感じたかもね…。」


「まだひとみちゃん21歳だしね。大きな声で叫ばれた事なかっただろうし。」


「でも、うちの母なら、宇宙のおかあさんみたいに言いそうな気はした。」


「ある意味、こういうもろもろの事って、相性ってあるよね?」


「ちなみに、宇宙は一番何が引っかかってるの?」




宇宙は、凛子の最後の質問に一番…心が反応したのだった。


凛ちゃんの言う通りだ!僕は一番何に引っかかっているんだろう?



宇宙:

「凛ちゃん色々、聞いてくれてありがとうね。僕なりにまた落ち着いて考えてみるね!

あーそういえば、凛ちゃんも話したい事があるって言ってたね~。」



凛子:

「そうなの、実はね、「親友」と疎遠になったの。」



宇宙:

「えっ???いつ??? 何があったの?」




凛子は宇宙に、「親友」と疎遠になったいきさつを話したのだった。

宇宙は、ゆっくりじっくり聞いてくれたのだった。




宇宙:

「なるほどね~。事情はよく分かったよ。でもね、凛ちゃんの言ってる事は間違ってないから、僕は疎遠になって良かったと思うよって。」




ふたりは久し振りに、ゆっくりと、色んな話をしあえて大満足したのだった。

最近は、宇宙と凛子は本当になんでも素直に話し合えるようになれている。




凛子は実は、この時、ある問題を抱えていたのだった。

まだ宇宙には、話せていない…。









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