第8話 親友と疎遠
宇宙は、凛子が「占い師」を始めたのを聞いて、僕も何かしたい!!って意欲が芽生えて来て、凛子の良い影響を受けて、自作の曲をYouTubeにあげたのだった。
宇宙は、若い頃から自分で作詞作曲して、オリジナルの音楽を百曲ぐらい作っている。
凛子の前でも時々、よく生声を聴かせてくれて歌ってくれる事もあった。
中でも「クリスマスソング」の歌は、かなりの人数の視聴回数だった。
宇宙とは、お互いに相乗効果で、個々に自分の目指す方向性に向かって突き進むふたりであった。
凛子は、相変わらず、甥っ子の事、妹の事やらで、奮闘していた。
ある時、「親友」に、甥っ子の事で悩んでいる話をしていたら。
親友:
「凛ちゃん言ってたよね?甥っ子が社会人になったら、手放すって!」
「でも、社会人になっても、いまだに、手放してないじゃあないの!」
そう、「親友」に凛子は言われたのだった。
凛子:
「うん。そんな話をした事もあったけど、でも、育成って、こちらが思うペースには運ばないものだし、甥っ子の成長ぶりにも依るものなのよ。」
「そんな無責任には簡単には手放せないわ! 状況を見て徐々に手を放していく事はしていくつもりだけど…。」
親友:
「ふう~ん。私なら即!手放すけどね~。」
…とそんな会話を「親友」としたのだった。
その時も凛子は、「親友」の言動を感じて、私とは目指す方向性が違うな!と
思ったのだった。
よくよく振り返って見たら、太陽と付き合った時もそうだった。
太陽とこれからも付き合っていくべきか?凛子なりにはかなり深刻だったのに…。
凛子:
「直感だと単純に合うし、楽しいんだけど・・・。
直観だと…楽しいだけでいいんだろうか?って思ってしまうんよね。」
親友:
「じゃあ別れる?」
凛子:
「もう、嫌だから別れたい!ではないのよね…。」
「今までの経験上とか頭で考えると…大丈夫なのかな?と思ってしまうというかぁ。」
「だけど、手を繋いだ時に、太陽の手と自分の手が、しっくり来る感じなのよね。」
親友:
「私にはよくわかんないわ!」
凛子:
「私も…うまく説明が出来ないのはあるわ。」
この時も、「親友」は、別れる?って極端な言葉しか言ってくれなかった。
凛子が手術入院した時に「親友」に話した時もそうだった。
凛子:
「いくらポジティブ思考な私でも、さすがに痛みには打ち勝てなかったわ。」
「病って…ほんと!自分でどうにか出来るものじゃあないって事を思い知らされたよ。」
親友:
「私なら、事実を捻じ曲げてやるわ!」
そうサラっと答えたのだった。その時は、まだ「親友」の事をリスペクトしていた。
なので、そんな手法があるのか?と感心して、
それはどういう世界なのか?凛子なりに模索した感じだった。
でも、今の凛子は無条件で「親友」の事を、リスペクト出来なくなっているので、
ありのままの「親友」を色眼鏡なしで見れるようになっているのだと思った。
そんな事を思っている時に、「親友」からlineが来た。
親友:
「もうさ~聞いて。うちの会社の若い社員の男の子が、私と彼が(最近、半分以上は親友のゴリ押しで、付き合い始めたのだ。)おしゃべりしてる時にいつも邪魔するのよ!!」
「いつか、ガツンと言ってやるんだから!!ほんと!!ムカつくわ!!」
凛子:
「そこって男性社会だから、邪魔してるわけではなくて、後輩が先輩に話を聴いてほしいからってわけではなくて?」
親友:
「そんなの私には関係ないわ!!邪魔ばかり本当にするのよ!!頭に来るわ!!」
凛子は、ここで自分の考えをきちんと言ってしまうと…。
きっとそれは「親友」にとって、正論になってしまうので…。
怒って疎遠になるだろうなぁ~って想像しながら、自分の考えをlineしたのだった。
凛子:
「親友の会社は基本、男社会だから、男性同士が仲良く話をしたり、ましてや先輩後輩となると気楽に話したりするのは自然な事だと思うのよ。」
「彼って話しやすそうな人じゃあない?後輩にも慕われてるんだと思うのね。」
「それと、会社はあなた保有の空間ではないよね。そんなに彼と話したいのなら、プライベートに会う時間を作ってもらって、ゆっくりその時に話したらいいんじゃあないかな?」
凛子自身…最後に書いた事を一番伝えたかった。
「親友」が彼に、「自分の為に時間を作って欲しい」と言えない事を分かっていた。
だからこそ、「親友」に言えてない事がそもそも、日々の愚痴になっているよ!って
事に気付いてほしいのもあった。
「親友」は人とちゃんと向き合うって事が苦手だった。だから、私にも、一方的なキレのある言葉ばかり発言して来ている所があった。
彼との恋愛を通じて、人と向き合う事の大切さを学んで欲しいと思ったのもある。
―案の定、その後…「親友」からは何も返答がなかった―
凛子はなぜか、悲しいより、清々しかった。
喧嘩別れとしたというより、「一緒に今は居ない方がいいふたり」とハッキリ納得出来るぐらいに思えての言動だったからだ。
ここ数年に渡り、凛子は「親友」との「真価」等…。真剣にじっくり問って来たり、自分の素直な気持ちもちゃんと認めて向き合って来た。
よくよく振りかえってみれば、元夫の星夜との別れに似てるかもしれない。
「一緒に居ない方が、お互いに自分らしくのびのび人生を謳歌できる」
今日は12/31、今年最後の日でもあり、「25年の親友」と疎遠になった日となった。
来年はどんな年になるんだろう?
凛子はワクワクしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます