第3話 ふたりだけの秘密の共有
宇宙は、夢の中でね~。と
凛子のふたごちゃんと名乗る、
ココロの話をし始めて来たのだ。
凛子の鼓動はどんどん…
上がっていく…。
宇宙は、そのココロちゃんから
ある「手紙」を受け取った事から
話し始めたのだった。
凛子は確かに宇宙が言っている、
「手紙」の内容(宇宙の良い所)を、
マイノートに書いてはいる。
凛子が宇宙に心の中で祈った事が
そのまま、どうやらその「手紙」に
書き綴られていたようだ。
こんな不思議な事が、
起きるものなんだろうか?
それよりも何より…。
凛子の中に本当にもう一人のわたしが、
いる事を宇宙に話した方が良いのか…
凛子は迷ったのだった。
宇宙は、凛子の表情がこわばって来て…
顔色が思わしくない気がしたので、
気になって語るのをやめた。
凛子は急に、宇宙の声が、
聞こえなくなったので、気になって、
宇宙に話しかけたのだった。
凛子:
「どうしたの?
それでその続きはどうなったの?」
宇宙:
「なんか、急に、
凛ちゃんの表情の雲行きが、
怪しくなったのを感じたから、
話すのをやめたの。」
凛子:
「あっ、ごめんごめん。
大丈夫、続けて~。」
宇宙は気になりながらも、
ココロちゃんとの事を
話し続け始めた。
全部話し終えた所で、
宇宙が凛子に尋ねたのだった。
宇宙:
「凛ちゃんの中に、
ココロちゃんがいるの?」
凛子は、宇宙は単刀直入に、
ストレートで聞いて来たな、
と思ったのだった。
凛子:
「この事は本当に今まで誰にも、
言ってなかったんだけどね。」
「実は、本当の事なんだ。」
「ココロとの出逢いは、
私が5歳の時だったの。」
凛子は、ココロとここまで一緒に、
生きて来ている事を
話したのだった。
宇宙は、その話を真剣に、
じっくり聴いてくれたのだった。
宇宙:
「凛ちゃん、話してくれて、
ありがとうね。」
「僕は今、ハッキリと思ったよ。
凛ちゃんなら
きっと僕の「亡霊」と、
向き合ってくれると…。」
凛子:
「亡霊?」
宇宙:
「うん。以前、
少しだけは話した事があったと
思うんだけど…。」
「僕が昔、結婚したいと思って、
プロポーズしたけど、
振られちゃったひとみちゃんの事なんだ…。
僕ね、ずっとそのひとみちゃんという、
「亡霊」と
闘ってるんだ。」
凛子:
「まだよくは分からないけど…。
宇宙はその「亡霊」と
闘っている事が物凄く、
悩みとなってるって事ね。」
宇宙:
「うん、そうなんだ。
今も好きで未練があるわけでは、
ないと思うんだけど…。
今、こんなに経つのにまだ…
いまだに、
消化しきれてないんだよね…。」
「こんな事を凛ちゃんに話したら、
引かれるだろうなぁ~。
嫌われるだろうなぁ~。
ってずっと言えなかったんだ。」
「でも、僕も凛ちゃんの「ひみつ」を、
教えてもらったんだから、
僕も同じぐらいの、
「ひみつ」を言わなきゃって思ったの。」
凛子:
「うん。凛子を信頼して話してくれて、
ありがとうね。
私にできる事は、なんでも協力するね。
これからは、もう二人の中には「ひみつ」が
無くなったね。」
宇宙:
「僕、かなり心が楽になれたよ。
なかなか、過去の女性の事だから、
凛ちゃんに話すのは、
良くないな…と思ってたんだけど、
もう僕ひとりだけの力じゃあ、
この「亡霊」と
打ち勝つ方法が、
見いだせなくなってたんだ…。」
「凛ちゃんに出逢って、
僕ね、かなり弱くダメな自分とも、
素直に向き合えるようになれてるんだ。
その中でも、この「亡霊」との事は、
まだちゃんと、
向き合ってこれてなかったんだ。」
凛子:
「私も宇宙に出逢ってから、
段々、自分と真摯に
向き合おうと思い始めたの。
私達はそうやって、
少しずつ、自分と素直に、
向き合いながら、ここまで助け合って、
生きて来ていると思ってるの。
だから、これからもなんでも話してね。
ふたりで一緒に、考えたり、悩んだりして
みつけて行こうね。」
宇宙:
「僕は今まで生きて来て、
ここまでこんな「知性」の話を、
じっくり語り合えるような女性に、
巡り会えた事はなかったよ。」
「以前、6年付き合ってた遠方の彼女とも、
とても高度な知的な話はしてきたが、
あの人は「愛」を怖がっていて、
自分の中にある「愛」さえも
見ないようにしていた人だった。」
「でも、凛ちゃんは、名前の通り、
凛として目の前のどんな問題にも、
屈せず、真っすぐに凛と突き進む強さがある
女性だ!!」
「でも、とっても愛情深いから、僕の事も、
いつも自分事のように考えたり、心を悩ませて
くれたりする。
僕も凛ちゃんのように、強く優しい「愛」を
自分の中に持てるように、
なりたいと思っているよ!!」
宇宙は、自分でも不思議なぐらいに、凛ちゃんに
素直な気持ちを話していると…。
宇宙の内側から熱情が、
じわじわ~沸き起こって来るのだ。
凛子:
「私は宇宙から、
たくさんステキな言葉をいつも
もらっているから、それをただ…
有言実行しているだけよ。
宇宙はね、私にね、
【好きになる事で優しく強くなれるよ】
って言葉を教えてくれたことがあったの。
私はそういう宇宙が、
何気にわたしに、
言ってくれた言葉を、
自分なりにかみ砕いて
それがどういう事なのか?
自分で色んな事を体感したりして、
体当たりする事で、これかな?って
見出してるのはある。」
宇宙は、「なんと気持ちいい~。
心地の良い~。
自分自身が高められ、
自分の事をもっと、
好きになれるヒントをもらえる。
かつ生産性のある高次元な、
やり取りなんだろうか…。」
凛ちゃんの素晴らしさを今日の宇宙はまた、
改めて実感したのだった。
そして宇宙は最後に凛ちゃんに、
こう伝えたのだった。
宇宙:
「凛ちゃん、
今のお付き合いしている太陽さんだっけ?
その人との事だけどね…。
僕、ちょっぴりやきもち妬きだから、
時々、すねちゃう事も
あるかもだけど…。
でも、そんな僕も僕って思って、
大目に見てね。
だけど、僕は太陽さんって、
凄く凛ちゃんにとって、
必要な人だと感じるし、
僕は正直、公には、凛ちゃんの
直接的な力にはなれないから、
凛ちゃんの人生が、
より豊かなものに、
なって欲しいと心から願ってるから、
ふたりのこと、僕なりに応援するね。」
凛子:
「宇宙~ありがとうね。
私にとって、宇宙は無二の存在だから、
これからも私たちの仲は、
なにも変わらないからね~。
お互いに、自分自身の「課題」に、
向かって
これからも助け合って、
いっしょにやって行こうね。」
ふたりはこうして、
お互いに素直に、
語り合えたことで、
改めて自分の気持ちも、
整理整頓も出来あえて、
今まで以上に、「魂のふたごちゃん」の
ふたりになれたのであった。
そんなほのぼのした時間も、
つかの間…。
甥っ子の自立支援センターの担当者から、
電話がかかって来たのだった…。
どうやら…妹が良からぬことを…
し始めているようだった…。
またもや…一難去ってまた一難…。
凛子の人生はまだまだ…
これからいくつもの
問題に、打ち勝って行かねばナノだ…。
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