ペット扱いしてくる彼女かやばいヤンデレか
「なっ...んでここに....」
クソっ!もう一度逃げ―—————
背を向けた瞬間俺の口元にハンカチが押し付けられるとともに俺の意識は遠くなっていった
「フンフーンっフフーン♪」という機嫌のよさそうな鼻歌とトントンという包丁の音で俺は目を覚ました
俺はベットの横にもたれ掛かるように眠らされていた
俺はまだボーっとしている頭を無理やり動かし、周りを見渡す
そして確信した。ここは俺の部屋だと
俺の荷物とほったらかしていた段ボールやソックス
なぜ俺の部屋を彼女が知っているのか。そんな疑問はどうでもよかった。
今は立ち上がらないとそう思い、立ち上がろうとした瞬間
「えっ?」
手が後ろにクロスの状態から動かない
「あぁ!くそ!どうなってんだよ」
そう言いながらなんとか拘束を外そうとした瞬間
「あっ、そんなことしても無駄ですよ?結構きつめに拘束したので」
そう声をかけてきたのは椎名だ
「あと少しで料理ができるので、待っててくださいね?」
そう言って椎名は台所へ戻って料理を続けた
と。その時
ガチャッ!
という音と共に誰かが入ってきた
良かった。助けが来た!
そう思ったのもつかの間
ドアを開けて部屋に入ってきたのは
「うっそだろ.....」
そうだ、つい先日までずっと俺を監禁していた犯人。
ああ、最悪の再開だ
そう思ったのもつかの間、華琴は俺の方ではなく、椎名の方へ向かっていく
「ちょ、ちょっとなんですかあな―———ッ!?」
「こんの誘拐犯がぁぁぁ!!!!」
ドロップキックをかました
それも恐らくみぞおちに
その衝撃に椎名は壁に激突して、よろける
しかし気合いで持ちこたえたのか華琴の髪につかみかかる
「なに...するんですかぁっ!」
しかし椎名の動きを見切っていたのかそれを華琴はいとも簡単によける
「人のペット誘拐しといてなにするんですかはないでしょうがぁっ!」
華琴はよけられたせいで体勢が崩れた椎名を押して、背中に馬乗りのなった
「あなたのせいでこっちは大変だったのよ!いつものルーティーンが崩れてなんにもできなかったのよ!」
ああ、怖い
俺は他人事のように二人を見ていた
いや、実際他人事だ。だって他人だから、うん
一人でそんな考えを巡らせているといつの間にか二人の喧嘩は終わっており、なにやら二人でこっちを見ていた
「ねえ、ポチ?」
華琴は笑顔で口を開いた
まずい、何か嫌な予感が.....
「頼む、解放してください。なんでもしますんで」
「ん?今なんでもって....」
「つまり、あんなことやこんなこと...」
「おい脳内ピンク二人」
ああなんか駄目そうだ
「......」
「というわけで真君にはどちらかを彼女にしてもらいます!」
「は?」
嘘だろ?
人をペットにしてくる奴かヤンデレ?
「あの、両方ム」
「ポチ?」
「すみませんっ!」
反射的に謝ってしまう
二つのうちどちらか....
ペット扱いか〇されるか
どちらを選んでも地獄になる気がしかしない
ここは賭けだ
「俺は.....」
「俺は椎名を選ぶ」
華琴は話を通じないがもしかしたら、そうもしかしたら椎名は奇跡的に話が通じるかもしれない
「ふっ!勝ったっ!」
椎名は勝ち誇ったようにガッツポーズをして
「それじゃあ選ばれなかった方はお帰りください!」と言って今にも俺に襲い掛かってきそうな表情をした華琴を外に引きずっていく
「仕方ないわ。ポチがそういうんだったらいったん引き下がってあげる。だけど...」
だけど、と言って華琴は俺に目を合わせ連絡してくれたらいつでも迎えに行くから
そういって椎名に引きずられていくのだった
ヤンデレからは逃げられないって知ってた? ルイ @ruisyousetu
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