ラーメン大好き
「ねえ」
「なに」
「俺とつきあってよ」
「なんで?」
「つきあいたいから」
「なんで私とつきあいたいの?」
「キミの事もっと知りたいから」
「ふぅん。別にいいよ」
「あ、そう。ありがとう」
「あんまり嬉しそうじゃないね。ウケる」
「うん、そんなに嬉しくない」
「あは。なにそれ」
「だってまだそこまで好きじゃないし」
「確かに」
「キミの事まだよく知らないから好きって言えない」
「納得」
「初めて会った合コンで俺が「好きなタイプはラーメン屋でひとりでラーメン食ってる女」って言ったの覚えてる?」
「全然覚えてない」
「そういうとこ好き」
「はあ?」
「俺にまったく興味なさげなのがたまんない」
「え、アナタ変態?」
「合コンより前にラーメン屋でキミがひとりでラーメン食ってんの見た事あんだよね」
「ウソ?どこで?」
「駅前の○○」
「あーよく行くそこ」
「ラーメンとチャーハンと餃子食ってた」
「なんでそんなに見てんの!?やだキモい」
「キモいとか言うな」
「キモいわやっぱ変態だわ」
「ものすごい早さでラーメン食ってる女がいりゃ見ちゃうだろ」
「ラーメンはスピードが命じゃん」
「そういうとこ好き」
「けっこう好きじゃん私の事」
「そうかな」
「でも私はアナタよりラーメンの方が好き」
「じゃあなんで俺とつきあってくれんの?」
「なんとなく」
「うん、それでいいです」
「つきあってみてから考えるよ、つきあうかどうか」
「そういうとこ好き」
「かなり好きじゃん私の事」
「いや、そこまで好きじゃない。まだ」
「好きじゃないのにつきあうって斬新でなんかいいね」
「好きにならないかもしれないけど嫌いにもならないかもしんないよね」
「別れないかもね私たち」
「え、なにそれプロポーズ?まさか俺の事好きなの?」
「いや、違うし。まだ全然好きじゃないし」
「ですよね~」
「そんなアナタとさっそく行きたいとこあるんですけど私」
「え、どこ?ホテル?俺んち?どこでもいいよ」
「ラーメン屋」
「そういうとこ本当好き」
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