男の憧れ
俺、健次郎。高2。
近所のコンビニでアルバイトをはじめて半年。最近やっと慣れてきた。
思ってた以上にやる事あってけっこう忙しい。
ジジイとババアは順番守らねーしわけわかんねー事ばっか言ってくるし弁当あっためたら熱すぎんだよとかキレるヤツとかぬるめでお願いとか言ってくるヤツもいるし!ムカつきすぎて辞めてやんぞと思う時もあんだけど俺は辞めない。なぜなら恋をしているから…ポッ
いつもだいたい20時くらいにその人は来る。
25歳くらいで背が高くて髪はゆるいパーマでいつも綺麗なスーツ着て高いヒールを履いてる。OLかな秘書とかかな…とにかくエロい最高。俺の癒し!興奮!生き甲斐!
その人が来るのを期待しながら俺は今日も頑張る。
「しゃっせ~!」
その人が来た!
今日も相変わらず美しい!いやいつもより美しい!俺の女神!学校の女子なんか比べ物にならない色気!たまらん!オトナの女最高!
と思ったらなんか男がいる。俺の女神が男といる。
誰だよ…彼氏か…彼氏いたのか…そりゃあんな綺麗だもん彼氏いないわけねーよなあ…
俺の恋は終わった…さようなら俺の女神…
泣きそうになりながらレジをしていると女神と男が来た。
俺の女神を奪った憎き男をしっかりと見てやんぞコラ
う、うわぁー!な、な、な、なんなんだこのイケメンはー!背が高えー!モデルかよ!俺と同じ男かよ!俺と同じ人間かよ!!
突き付けられた現実にスキャンする手が震える。
「あ、あと肉まん2つください」
イ、イケボー!!なんなんだよなんなんだよ!その顔でその声とか反則だろ勝てるわけねーよ!
最後の商品を手に取る。ピッ
コンドーム
やめろー!やめてくれー!想像しちゃうじゃねーかー!!今完全に想像しちゃったよ!!
お年頃の俺には刺激が強すぎるぜ!
俺にこんなもんスキャンさせんじゃねえー!!
「〇〇円です」
…泣きたい。コンビニのバイトがこんなにツラいと思わなかった。
「ありがとうございました…」
バイト辞めようかな…グスン
するとすぐにイケメンが戻ってきた。
なんだよなんなんだよ!コンドーム足りねえのかよ!チクショー!
「お願いします」
よっちゃんいか
…なに煙草みたいにかっこよく置いてんだコラー!!
イケメンが触れるとこのよっちゃんいかが高級スイーツに見える!アナタはよっちゃんいかのためだけに戻ってきたんですか!ったくどんなイケメンだよ!すげーイケメンだよ!よっちゃんいかが好きとかギャップ萌えがすぎますよ!
コンドームからのよっちゃんいかとか破壊力ハンパねーなマジで。オトナってかっけーなマジで。早くオトナになりてえー!
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