第47話

寝ていたはずのゴリラは起きていて水を飲んでいた。



「…ご、ごご、ごごご後藤…」



「…丸見えだよ山田」


優しく笑ったゴリラ。



私のガウンははだけて豊満な胸やらナニやらが丸見えだった。


そんな事はどうでもいいのよ…


それよりコレ…この左手薬指にあるこの指輪は…


「…ごごご…後藤…が…遠い…」


お部屋が広すぎてなかなかゴリラに辿り着けない…


私はゴリラに引き寄せられるようにフラフラと倒れこむ。


ゴリラは立ち上がり両手を広げて私を受け止めた。



「後藤…これ…」


と言うと私をベッドに座らせた。



「さすがに丸出しじゃなあ…」


と笑いながら私の乱れたガウンを直してくれた。



「これ…見て…これ…」


「うん」


私の両手を握ったゴリラ。



「これは…後藤が…?」


「うん」


チュと短いキスをしたゴリラ。



「いつ…」


「山田がイキまくって失神した時」


「やだ…」


「…うそだよ。ごめん」


ギュウーと私を抱きしめるゴリラ。



「…あーあー、ミ、ミ、ミ、……オゥエ…」


変な発声練習の後、小さく1回えずいたゴリラ。



するとゴリラは指輪のはめられた私の左手を取ると、なんと私の前にひざまずき、今まで見た事がないような真面目な顔で私を見上げた。





「山田さん。僕と結婚してください」

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