第28話
ある日。
いつものようにゴリラの帰りを待っていた私。
帰るコールもあったしそろそろ帰ってくる頃かしらと思っていた時にちょうどインターホンが鳴った。
ゴリラだと思ってモニターを見たら違ってガッカリ。
ん?あらっ!?よく見たら森くんじゃない!
ライバルと決まればもはや敬称なんて略よ!略!
森が現れた!出たなライバル!
「はい?」
私は大人の女の声を出す。
「後藤さんは帰ってきてますか?」
ほらきた!
「まだですが」
「あ、そうですか」
「何か御用でしょうか?」
「仕事の事で…ちょっといいですか!?」
「なんですって!?」
仕事にかこつけて大好きなゴリラの家にあがりこむつもりね?
かわいい顔してなんて大胆で強引な男なの!
でもどうやら本当に会社の事でゴリラに用があるらしく、お茶でも飲ませてゴリラを待つ事にした。
ライバル森を仕方なく部屋に入れてあげて、とりあえず私の大好きなコーヒーは勿体ないから1杯10円くらいの激安ドリップコーヒーを出してあげた。
「……」
何故か私を凝視している森。
何よ!そんなに私が憎い!?
1杯10円の激安ドリップコーヒーは飲みたくないって!?
ひたすら無言。そして凝視。
「……」
きっと私の美しさに見惚れてるのね。
…早く負けを認めて帰りなさいよ!
…いやだ。なにこれ耐えられない!
突き刺さる視線から一刻も早く解放されたい!
ゴリラったら早く帰ってきなさいよ!
お願い早く帰ってきてくださいゴリラ!
「あの…」
森がやっと口を開いた!と思った瞬間、玄関ドアの鍵がガチャンと解かれる音がした。ゴリラが帰ってきた。
ああん!今何か言い掛けたのに!
ゴリラったらタイミング良すぎるんだから!
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