第17話
「――ってのが一昨日の話」
「ウケる…最高…!ヒィ~お腹痛い…ヒィ~!」
良かった!香織がやっと笑ってくれたわ!
ヒィヒィ言いながら涙を流して喜んでいる。
いやでもちょっと笑いすぎじゃない?
「あーおっかしい!最っ高~」
「そんなに面白いかしら?」
「玉木宏にフラれたと思ったら今度はゴリラーマンにいいように遊ばれて」
「失礼ね!遊ばれてなんかないわよ!」
「ゴリラと交尾しただけじゃーん」
「交尾って言わない!今度それ言ったら罰金!」
「え?付き合う事になったの?」
「ええもちろん」
「ゴリラーマンと?」
「ええ」
「ホステスが?」
「ええそうよ」
「書籍化そして映画化決定」
「…そのタイトルとは?」
「…もしゴリ」
「まさか…!」
「【もし場末のスナックホステスがゴリラーマンの恋人になったら】」
――――
「ハリウッドでリメイクも決定だな」
ベッドの中。
隣でゴリラがウホッと笑う。
「でも山田さん。僕ひとつ気になる事があるんですけど」
「はい後藤くん」
「僕達って『恋人』ですか?」
「ええぇーっ!?違うのー??」
ビックリ!本当にビックリ!何言ってるの!?え?冗談でしょ?冗談よね?
ついこの前あんなに激しく愛を確かめ合って結ばれたばかりじゃない!
私の身体とテクが相当良かったのかだいぶ早くイッちゃったけど、あんまりにも気持ち良すぎて記憶までぶっ飛んじゃったワケ!?
てゆーかついさっきまで、まさに獣のように私を抱いていたのはここにいるゴリラ、そうアナタでしょう!?
「あの日ボクはキミに無理矢理襲われて…今日もこうして気付いたら裸で…」
布団に顔を埋めてグスングスンと泣いてるフリをするゴリラ。
「……」
確かに言われてみれば…きちんと交際を申し込んだワケでも、申し込みをされたワケでもない。
『恋人』になる約束などしていない。
でももう香織に言っちゃったし!
【僕と付き合って下さい】
「って言ってよ!」
「やだよ。なんで俺が」
「言って!」
「最初に手出してきたのは山田だろ」
「……」
マイッタ…困った事になった…。
助けてー!ムツゴロウさぁーん!
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