第18話

「初めて見た時から君に決めてました!お願いします!」


頭を下げ手を出すゴリラ。


「…ごめんなさいッ」


一度出しかけた手を引いてしまう複雑な表情の私。


「うおーーー(ウホーーー)」


その場から走り出すゴリラ。



……


…ドスドスドス


ゴリラが戻ってきた。


「満足して頂けましたでしょうか?」


「ええとっても」


「断ってどーすんだよ」


「1回やってみたかったの!だから次はオッケーパターン!ハイもう1回スタンバイ!よーい!」


「もういいよー面倒くせえー」


「ジャンケン負けた方が言うって決めたじゃ~ん」


「俺の大事な休日があー」


「早くぅ早くぅ!」


「…わーかったよ」



こーやってノッてくれるところが好き。



「初めて見た時、俺にはもうこの女しかいないと思った」


あら?ちょっとセリフが違うじゃない?


「好きです。僕と付き合って下さい」


私を抱きしめるゴリラ。

私の脚本無視だけどいいわ!これで!


ふざけてたかと思うと急に男らしくなってカッコいい事言ってくれたりしてくれたりするところとか。



「これでいい?」


「うん…オッケー」


そんなゴリラが大好きで大好きで。


「大好き」


そう言った私を見たゴリラはウホッと優しい笑顔で


「俺も」


とキスをしてくれた。


ああん!幸せ!!


私がゴリラのキスにうっとりしていると


「山田…」


「なあに?」


「本当に看護師?」


「なんで?」


「本当はやっぱりホステスなんだろ?」


「なんで!?」


「営業なんだろ?」


「なんで!?」


何故今それを言うワケ!?

せっかくうっとりしてたのに!


「エロすぎる看護師」


可愛いすぎる海女、みたいに言うな!


「本当に俺でいいの?」


「私は後藤がいいの」


「俺も山田がいい」


「私とバナナどっちが好き?」


「バナナ」


「……」


「嘘です。同じくらい好きです」


「!?」


「あ、間違えました。山田さんの方が好きに決まってます。山田さんが大好きです」


「うん、そうよね」


「バナナ食う?」


「今はいらない」


「俺のバナナ食う?(下半身に注目)」


「いただきます」



いや~ん♡幸せ♡


ゴリラもバナナもゴリラのバナナもだーいすき♡

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