#エピローグ・2 アリエの日記 1月1日2139年
なんだか、久しぶりの日記だ。このところ、てんやわんやで日記を書く暇なんかなかったから、何から書こうか、少し考え込んでしまう。
いろいろあったしなあ……。
そういえば、中央街で働き口を見つけたよ!
バーのトワイライトムーンってところ。品の良いお店で、なんだか働くのに気が引ける。本当に私なんかが働いていいのかな……って。
ツグってバーテンダー兼オーナーさんは、「アリエちゃん目当てに来るお客、多いのよ」って言ってくれた。よくわからなかった。
そして、そのお店の近くにツグさんの住む家があって、私もそこに住まわせてもらうことになった。
ツグさんはとてもやさしくて、私のことを「妹ができたみたい」って言ってくれる。小さい頃は妹が欲しかったんだって。
そういえば、デイルおじさんも私がトワイライトムーンで働き始めてから、ちょいちょい顔を出してくれるようになった。
前のしかめっ面なおじさんと違って、だいぶ顔が柔らかくなったと思う。まあ、依然として無表情気味だけど。
エルマンさんとかはバーで会うと「よお! 仏頂面の旦那ァ!」って声をかけてる。私はそれを聞くたび、ちょっと笑ってしまう。
最初の方こそデイルおじさんと一緒に住もうかと思ってたけれど、なんか違う、って思って自分の場所を探すことに決めた。
私はあの時決めたんだ。単なる「保護対象」じゃなくって、対等な「相棒」になるって。
だからこそ自分一人の力で、住むところを探した。……まあ、最終的にエルマンさんに紹介してもらったのは少し、ご愛嬌、って感じだけど。
さて、今日もそろそろバーの開店の時間だ。
今日は新年を祝うパーティーの日。お客さん、いっぱい来てくれると嬉しいな。
そう思っていたら、デイルおじさんが一番に入ってきてくれた。ふふ、デイルおじさんがシャンパン持って、ちゃんとした恰好をしてるのいまだに見慣れないなあ。
さて、今日もキリキリ働きますか!
相棒よ、永遠なれ!
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