第8話 過去

そっから俺たちはずっと戦い合っていた

気づいたら体もボロボロになっていた

山咲 「能力者になったから一筋縄ではいかないな、さすが俺の妹だ」

美桜 「だから、私に兄などいるわけないって言ってるでしょ!」

美桜 「ところで拳銃は使わないの?」

山咲 「刀相手に分が悪いだろ」

美桜 「だったら決めさせてもらうよ…」

美桜 「ライトニング、コアドライブ」

山咲 「アクセル、コアドライブ」

美桜 「はぁぁぁぁっ!」

山咲 「うぉぉぉぉぉ!」

その攻撃がぶつかると周りの地面が揺れた、だが

山咲 「俺の方が一枚上手だな」

美桜 「え?」

山咲 「エンジン、サンダー、コアドライブ」

山咲 「はぁっ!」

美桜 「きゃっ」

その攻撃が当たった瞬間私の体が痺れて飛ばされた

山咲 「最近知ったんだ、エンジンのスピリットにはサンダー、ブリザード、スモークの三種類が内蔵されているらしい」

美桜 「あんた、何者?」

山咲 「お前の兄貴だ」

美桜 「だから私に...」

山咲 「お前がなんと言おうと俺はお前の兄だ!」

山咲 「だか....思い出すまで俺はお前を殴り続ける、家族でもなんでもない、それだけは覚えておけ」

美桜 「夜が明けてきたな、今日のところは見逃してやろう」

美桜 「また会おう、自称兄...」

そう言い残して彼女は影に消えていった、

山咲 「おい、ちょっとまて!」

山咲 「んだよ、しゃーねーな」

山咲 「あーあ、またやっちゃった…」

俺は家に帰ってから数年ぶりに大泣きをした、"また妹を守れなかった"と

そして俺は隊長を、家に呼んだ

香村 「へぇーここが君の家か」

香村 「で、要件はなんだ?」

山咲 「あいつがポースの仲間になったライトニングの能力者として」

香村 「あいつってまさか...」

山咲 「そのまさかだ」

香村 「あと...なんでそんなボロボロの服をきて体は傷だらけで泣き目なんだい?」

山咲 「傷はあいつとやり合って、ついさっきまで泣いていた」

香村 「流石にこの状態で出動されては困るから、応急処置するわ」

山咲 「すんません」

香村 「じゃあ、上脱いで」

山咲 「え?」

香村 「いいから脱いで!」

山咲 「あっ、はい」

香村 「ホルスターも取って!」

山咲 「はい、すんません」

香村 「何この体?傷だらけじゃん」

山咲 「すんません」

香村 「しかも切り傷ばかり」

山咲 「あいつが日本刀持っていたんで」

香村 「お前ハンドガンは?」

山咲 「流石に...…」

香村 「流石になんだ?」

山咲 「………」

香村 「お前、まさか出すのを渋ったんじゃないだろうな?」

山咲 「はい…」

香村 「それはそうか、私たちは軍人じゃないもんな」

山咲 「でも!俺たちは…」

香村 「なんだ?言ってみろ」

山咲 「俺たちSAT、はこの命を掛けて自分の家族、国民などを脅威から守らなければいけない、たとえ敵が誰であろうと市民を無傷で守れる最後の砦なんです」

香村 「そうだな、じゃあなぜ出せなかった?」

山咲 「相手が…家族だから…です」

香村 「つまり?」

山咲 「俺が未熟だったから」

香村 「そうだな、でもまぁ良かったことが一つだけある」

香村 「それは、今回は単なる兄妹喧嘩で済んだことだ」

香村 「これで妹さんが一般市民に手を出したらお前はどうする?」

山咲 「そうなったらやります」

香村 「今の時点で出すのを渋ったおまえが本番でできると思うか?」

山咲 「訓練で出来ない奴は本番でもできない」

香村 「その通りだ、だったらどうする」

山咲 「私情を捨てる」

香村 「捨てろとは言わないが…作戦の時ぐらいは忘れろ」

香村 「あと…赤谷に感謝しろよ」

山咲 「え?」

香村 「あいつが1番心配してたぞ」

香村 「あと…お前の分の数少ない仕事もやったんだから」

山咲 「本気すか?」

香村 「本気だ」

山咲 「ちょっと昔話を、してもいいですか?」

香村 「なんだ?言ってみろ」

山咲 「あいつ肘に火傷を持っているんですよ」

香村 「そういやそうだったな」

山咲 「あれ、俺のせいなんですよ」

香村 「なんでだ?」

山咲 「この家、俺が高2の、時、妹が小3の時に、燃えたんですよね」

香村 「へぇー」

山咲 「その時、俺は二階にあった子供部屋であいつと寝てて、気づいた時には周りが火の海で、逃げられなくていたんです」

香村 「それで?」

山咲 「まずあいつを守ろうと思って、近くにあった燃えてないハンカチであいつの口を抑えたんです」

山咲 「でも、自分の事を考えてなくて途中から呼吸が出来なくなって…」

山咲 「倒れる前にあいつに口をハンカチで抑えたまま窓を開けて飛び降りろって言ったんです」

山咲 「そっから俺の記憶はないんです」

山咲 「気づいたら病院で…」

香村 「それで?」

山咲 「そっからは妹と親から聞いた話なんですけど」

山咲 「あいつ窓までは行ったんですけど、力が弱くて開けられなかったらしいんですよ」

山咲 「それであいつ泣いちゃって、ハンカチで口を抑えるのを忘れてすぐに倒れたらしいんです、その時に肘に火傷を負ったんです。」

山咲 「でも、そのあとすぐに消防の人がきてくれて二人はなんとかなったんですけど」

山咲 「その事があったせいで自分に他人を守る力が欲しいと思って警察官になったんです」

香村 「へぇーそんな事があったんだな、今日は休んでも良いぞ」

山咲 「え?」

香村 「まぁ、現場には来てもらうがな」

山咲 「はい」

香村 「よし!処置終了」

山咲 「ありがとうございます」

香村 「ちゃんと病院行けよ」

山咲 「善処します」

香村 「じゃあ帰るわ、このことは皆んなに共有しとくね」

山咲 「すいません、ありがとうございます」

香村 「まぁ、君の妹への愛は伝わったよ、だけど戦場ではそれは通用しない」

香村 「誰が敵であろうとも立ち向かい市民を守る、その事を肝に銘じといてくれ」

山咲 「はい!」


To be continued

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