第11話 【注意・性描写あり】アマニエリスの思い出

【注意・性描写あり】

不快に思う方、これ以上進まないでください。(作者より)


女神アマネア大神殿内住居部分

アマネア歴3512年12月9日

午後14時45分頃


アマニエリスはまだ裸のままでベッドに倒れこんだままだった。

女性にしか見えない外見、おまけに絶世の美女にしか見えず、

子どもの頃から男性たちの視線に悩まされていた。


「男なのに・・・」


彼女はため息をした。


男として生を受け、男は使えないはずの神聖魔法が使える。

両親は彼女のことを女性とも男性とも通用する育て方をした。

公式な場合のみ、女性として振る舞うことをお願いした。


「確かに女性としての振る舞いは強要されたことないな・・・」


如何にも自分はノリノリと女性として振舞ったことを思い出した。

可愛いものは大好きだったし、女性が好むスイーツや大陸で流行っていた服などに敏感だった。


アマニエリスは思い出した。まだ少女だった頃、65歳の時、初恋をした。

その相手は彼女の当時の護衛官の若い男性エルフの兵士。

コモンエルフ族の彼は金髪を短く切っていた。成人はしていたが、幼さがまだ表情に残っていた。


彼は10年間、アマニエリスの護衛を務め、地方貴族の次男だったため、別の地方貴族のコモンエルフの女性と結婚し、退官し、地方の上級軍士官になった。


「何て名前だったかな?・・・ヘイターかな?名字は思い出せないわ・・」


彼の後任の平民のダークエルフの男性にも恋をした。そしてその後任と初めてキスをしたのを思い出した。春の日、78歳の時だった。

探し物をする口実でダークエルフの男性と屋敷の裏にある物置へと向かった。

彼は先に物置に入り、暗かった室内を光の魔法で照らした。


「アマニエリスお嬢さま、どうぞ。」


彼女は入り、物を探すふりをした。


「ちょっと、ダージェン、手伝ってくれる?」


玄関の内側で待機していたダークエルフの男性を呼び出し、大きな箱を取り出すように命令した。

護衛官は箱を引っ張った後、大きなテーブルの上に置いた。

アマニエリスは彼の肉体美にうっとりしていた。ダークエルフ特有の黒い髪、細マッチョなボディ、

小麦色な肌。護衛用の軍服は良く似合っていた。


「取り出しました、アマニエリスお嬢さま。」


「それではダージェン、一緒にこの箱を開けましょう。」


「はい、お嬢さま。」


重たい蓋は彼と二人で開いた。箱の中身は古い魔法の本だった。


「これを見てよ・・・土魔法の活用方法が書かれているわ・・」


中の古い本を取り出して、護衛官に見せて、注意を自分に仕向けた、彼は本を見るため、少ししゃがんだ。その時、アマニエリスは彼の隣で同じくしゃがみ、顔を近づけた。


「ダージェン・・・」


彼は振り向いた。

アマニエリスは彼のしがみついて、素早く唇を奪った。

初めてのキスだった。


「いけません・・・お嬢さま。」


彼は離れた。


「なんでなの?ダージェンはいつもメイドのリアスとキスしているじゃないの・・・私はダメなの?」


「出ましょう、お嬢さま。」


困った顔をした彼はそれしか言えなかった。


次の日、彼は急遽、家庭の事情で辞任した。リアスというハーフエルフのメイドも同様の理由で辞めた。


それからアマニエリスは恋をしなくなった。自分は男性であるということもあったが、彼女が好きになる相手、全員は男性だったのもある。


月日は流れ、アマニエリスは90歳になり、人間の年齢に例えると15歳ぐらいだった。

屋敷の門番の一人、森エルフの成人男性のエルランドと厩務員の華奢なコモンエルフの男性ベティルは非常に親しく見えた。


「あの2人は出来てるわよ・・」


「厩舎に入るところをこの前見たわ・・」


「週2~3回、厩舎に行くんじゃない?・・・いかがわしいことしているんでしょうね。」


「イルナン王国ではないのよ・・・男同士は嫌だわ・・・」


アマニエリスは屋敷のメイドたちが話しているうわさ話を耳をすませて、聞いていた。

彼女は数日2人を観察し、会う日のパターンをつかみ、厩舎に隠れて、2人が入るのを待った。


秋の日の夕方17時頃、空が暗くなり、2人の男性エルフは厩舎に入った。

奥にあった、空の馬房へ入った。アマニエリスはかなり焦った、その手前の馬房に隠れていたからだ。

馬房の板に穴が開いていた、そこから彼女は2人を覗いた。


ベティルは小柄で華奢の女性的なエルフ男性だった。長い金髪は美しく、いつも後ろに束ねていた。

彼は束ねていた髪をほどいた後、服を脱ぎ始めた。彼は履いていた下着は女性物だった。

エルランドも服を脱いで、下着姿になった。2人はすぐに抱き合い、キスした。


アマニエリスは興奮した。抱き合っていた2人のエルフの下部は大きなっていて、下着からはみ出していた。馬房の床にあった藁の上で2人が横になり、お互いの下部に顔を付け、しゃぶりだした。

しばらくなめあった後、ベティルは四つん這いになった。エルランドはベティルのお尻の割れ目に顔を近づけ、音を立てて、なめ出した。


「お願いエルランド・・・オイル塗って。」


「わかった。」


エルランドは持ってきたオイル瓶を出して、ベティルのお尻の割れ目と自分のものに塗った。

そしてエルランドはベティルに入った。エルランドは最初はゆっくりと動き、ベティルの首を掴み、

少し振り向かせ、キスしながら体を動かした。次第動きが速くなり、片手でベティルの髪を引っ張り、もう片手で彼の腰を掴んだ。


「すごい・・・ベティル・・・最高だよ。」


「お願い・・・もっと動いて・・・」


2人は興奮と快楽に溺れて、激しく動いていた。


「ヤバい・・・イキそうだ・・」


「お願い・・・出して・・・」


激しく動いていた2人は同時に喘ぎ声を出して、体を重ねあって、藁の上に倒れこんだ。

エルランドのものはベティルの中からぬるっと抜けた。


「すごかった・・・」


「こんな激しいのは久しぶりだよ・・エルランド。」


「ああ・・・実は話があるんだ、ベティル・・・」


一瞬金髪のコモンエルフの顔の表情が曇った。


「何?・・まさか・・別れるの?」


「違うよ・・・」


「じゃ・・何よ・・話してよ・・」


金髪のエルフは泣きそうな顔をした。


「俺とイルナン王国へ行ってくれ・・・そして結婚してくれ、ベティル。君を愛している・・・」


今度は金髪のエルフは一瞬微笑んだ後、号泣しだした。


「はい・・・私も愛しているよ・・エルランド。」


「数年前俺の父方の伯父さんが移住し、商会を営んでいるよ。俺たちを呼び寄せたいよ。仕事も住まいもある・・合法的に結婚できるぞ・・ベティル、もう男性用の服を着なくていい・・好きな女性服を着て、俺の可愛い妻に堂々となってくれ・・・お願いします・・・」


「本当にいいの?」


「はい・・もう厩舎で隠れてセックスすることも・・・影口叩かれることも・・・正々堂々と街中に歩けるよ。」


「嬉しいよ・・・凄く嬉しいよ・・」


エルランドはベティルを強く抱きしめた。

2人はその後、もう一度激しく愛し合った。


アマニエリスは隣の馬房ですべて見た、聞いた。

彼女は興奮していた、そして気づかないうち、自分のものも立っていた。

初めてセックスを鑑賞した興奮と恥じらい、他の人のプライベートを覗いたことへの後悔など、複雑な気持ちになっていた。

彼らは出て行った後、自分の部屋に戻った。そしてドレスと下着を脱いだ。

下着は汚れていた。彼女はこの時、初めて射精した。


2か月後、上の2人は宰相の屋敷の勤務を退職し、イルナン王国へ移住した。


「何故今頃はそれを思い出すのよ・・・」


アマニエリスは興奮していた。急いでベッドのサイトテーブルの引き出しから花の香をするオイルローションを出した。

右手の指をオイルを塗り、左の胸をもみ始めた。左手の指にもオイルを塗り、自分のお尻に入れ始めた。


「ヤバい・・・数年ぶりだわ・・・痛い・・・でも止められない・・・」


性行為を想像しながら彼女のファンタジーの中で激しくセックスをしたのは性的興奮を覚えたロスカーン・ヴァラドランではなく、強引にキスしたレナン・レ・ケータスでもなく、初めて目が合った時、運命を感じたマラック・ヘストファーだった。


「マラック・・・私を奪いに来て・・・マラック・・・」


妄想の中でマッラクの名前を連発した。


「アマニエリス?」


突然頭の中でマラックの声がした。


「ええ・・どういうこと?!!」


自慰行為を止めたアマニエリスはパニックになった。


「頭の中の俺を呼ぶ君の声を聞いた・・・」


「確かに呼んでいたわ・・・でも何で聞こえたの?」


「まさかだと思うが・・・古い魔法があるよ・・・魂(ソウル)の回路(サーキット)という光の魔法だ。」


「魂(ソウル)の回路(サーキット)?」


「相手を強く思えれば・・・物理的な距離を無視して、いつでも話し合う、呼び合う魔法だ。」


「私はあなたを思っていた・・・」


「俺もずっと君を思っていた。アマニエリス・・・」


舞踏会の前に2人は魂レベルで結び合った。

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