第八章

1 レギネの葉の下に

 スマホの着信音が鳴った。普段、メール着信はサイレントで、振動のみだったからびくっとした。ディスプレイに表示された市外局番は市内の固定電話。知らない番号だったけれど、次の瞬間、視線が末尾に吸い寄せられた。――〝0110〟交番からの架電だ。

 一瞬は目を疑ったが私宛だと確信し、慌てて通話を受けた。

『こちら熱田警察、船方交番、巡査の柿ノ木です。加藤顕花さんの電話番号で間違いないでしょうか。青磁理央君をご存じですか?』

 いかにも業務といった宛転な声に、思わず直立する。

『コンビニ店舗から不審者通報があったのでお話を伺いました。彫刻刀を携帯していましたので持ち回り品の検査をしました』

 白鳥橋から一号線を西に行ったところにある交番だ。小雨が降っている。折りたたみ傘を出すのが煩わしくて、雨天兼用の白い日傘を差して外へ出た。交番につくと、セジは執務机の前で足を投げ出して座っていた。お尻を前へずらし小刻みに両脚を揺らしている。

「ちーっす。顕花サン、ごめんね」

「遅くなりました、ご連絡いただいた加藤です」

「ご足労どうも」警官は礼を言ったが、制服の上に物々しいベストを着たままで表情も硬い。セジに苛立っているのは明白だった。

「あの、コンビニから通報ってどうして……?」

「彼、フルフェイスのニット帽を首まですっぽりと被っていましてね。本人はバイクウェアだと言っていますが、徒歩でしたし」

「だーかーらー、寒かっただけなんですって。ほんと」

 机の上に、目の部分が開いたフェイスカバーと、なぜか小さな木彫り人形が横に並んでいる。警官が真偽を探る目で私を見た。

「それで、改めてお訊ねしますが、彼とはどういったご関係で」

 事実を列挙するしかないけど、正確に説明すればするだけ、他人だと証明してしまう気がした。実際、彼の素性を殆ど知らない。

「近くに住んでいて……、彼のことは良く知っています」

 言い淀んでいると、セジが横やりを入れたがそれがフォローになった。「もういいだろ? その人は、おれのお姉さんみたいな人」

 ほっとして、「保護司さんは?」と訊ねると、セジは胸ポケットから名刺を出し、「通じなかった」とパイプ椅子を揺らした。

「その方の連絡先も控えさせていただきました。最近、近隣で不審物の発見が相次いでいますので見回りを強化しているんです。彫刻刀は、この人形を彫るために所持していたとのことで、今日はお返ししますが、持ち歩くのは控えてください。次はお預かりします」

 良く見ると、木彫り人形の胴体はまだ平らで木屑もついていた。帰宅許可をもらい胸を撫でおろすけれど、「次は預かる」というのが彫刻刀のことなのか身柄のことなのか判らず、覚束なかった。

 日傘で小雨を遮りながら帰路につく。白い花模様が散った薄いナイロン生地、縁取りも花びら然として幾つも弧を描いている。地味な折りたたみにすればよかったと軽く後悔した。

「お給料もらいに店行ったんだけど、雨降ってきたからさあ、店長が帽子貸してくれたんだよ。コンビニATMで銀行に金入れたついでにミルクティーでも買おうと思ってレジ行ったら、お待ちくださいとかなんとか呼び止められて。ほんと最悪。おれ何もしてねえ」

「傘を借りればよかったのに……」

 大人しく店員に従うところがセジらしい。不貞腐れながらフェイスカバーを片手でぶんぶん回す。

「うちの玄関見たでしょ? あれ以上増えるの、おれヤダもん。サツも帰りは送ってくんねえんだよね。救急車と一緒。だるい。でも久しぶりに顕花サンに会えたからラッキー」

 白鳥橋を超え団地につく。

「なあ、オーちゃん見てってよ! おれ頑張ったんだよ」

 玄関扉を開けると、廊下の向こうに整った和室が見えた。中央に文机。今日は観葉植物が上に載っていない。室内はどことなく湿り、苔生すような香りがしていたけれどきれいに掃除されていた。セジが台所へ私を招く。ストリングカーテンを潜ると、目前に緑の茂った小さな庭が現れた。見間違いかと一瞬、眼を瞬かせる。

「これって……」台所にある床下収納ユニットの蓋が外され、そこに小さな植え込みが作られている。彼がキャベツ太郎を大切にしまっていたあの場所だ。室内にあった植物の大方が寄せられ、その中央でオーガスタが揚々と葉を伸ばしていた。「どうよ?」

 驚きが先走って言葉を失ったけれど、縦横六〇センチはあるボックスだ。深さも十分あり立派な園芸コンテナに仕上がっていた。何より植物たちが元気そうで、環境が良いことを示している。

「すごい、本当に復活したんだ……」台所の突き当りには、比較的大きな採光窓が一つあるので明るさも確保されていた。

「だろ? 少し暗いけどさ、角部屋だから窓もあるし、土が多い方が絶対いいだろって思ったんだ。あとオーちゃん、やっぱり極楽蝶花ってやつだったみたい。植木屋さんが言ってた」

「植木屋さん? って、箕面さんに訊いたの?」

「うん、あの人凄くいい人だね。おれが写真送れないって言ったら、わざわざ見に来てくれたよ。薬とかも調整してくれて、ウッドチップも足してくれた。水は霧吹きでこまめに頑張れって」

 連絡先は私が貰った名刺を見て覚えていたという。プロの手を借りたのだから当然と言えば当然だ。でも突如団地の床下に現れた緑たちのビオトープは活き活きとして、とても美しかった。

「信じてなかったろ?」

「そういうわけじゃ……。でもやっぱりちょっと信じられない……」

「ほらあ、やっぱり信じてねえんじゃん」

「あっ……、だってあんなに苦労してたのに呆気なくって」

 つられて破顔すると、セジが指の背で私の頭をこつんとやった。

「虫はまだいるみたいなんだけどね」オーガスタだと思っていた植物が、俄にレギネだと言われても慣れない。オーちゃんじゃなかったんだねと伝えると、セジは気に留めず「オーちゃんはオーちゃんだよ。なあ?」と変わらずレギネに呼び掛ける。ポケットから彫りかけのコロポックルを取り出し、土の上に置く。レギネの葉を指でそっと除けると、さらに数体の木彫り人形がその下に姿を現した。

「お守り? こういうのなんて呼ぶんだっけ」

 植物たちを見守るように、点々と並んでいる。

「守護者(ガーディアン)、かな。あとさ、これ見て」

 示した先には青磁の香炉が隅に埋められ、湛えられた水の中で二匹のメダカが泳いでいた。「どうしたの? これ……」

「へへ、いいだろ」

 団地の一室に芽生えた『生物空間』が完璧に近いと感じられれば感じられるほど、この部屋自体の存在の不確実性に私の思いは捉われてしまう。仮にこの部屋を借りているのが彼本人であったとしても、尚以て、彼の未来が変わらずここにあるとは思えなくて。

 冷蔵庫のホワイトボードには、依然として私が手書きした二文字が残されていた。「これ、いい加減消したら?」

「え。なんでよ、恥ずかしい? まあ下手だしね」

「それはマジックが極太だから……」

「まあた、すぐ顔赤くなる」

 そんなことない、と手の甲で顔を隠すと、セジは、「つばめつけてるんだね、調子いい?」と微笑み、自分の左頬を指した。

「あ、うん……」ボードの隣に、専門学校の来学期からの予定表が貼ってある。進級は決まったようだ。「補習大変だったね」

 卒業したらどうするの? 訊ねたい気持ちを私は呑み込んだ。

「なあ顕花サン、マジで庭造んない? おれ手伝うし」

 セジは植え込みを見つめて呟くと、私の返事を待たずにこちらを振りむいた。「ちょうどいいや、見せたいもんある。本当はもう少し先のがいいと思ってたけど、次いつ会えるかわかんねえし。今日おれ誕生日なんだ。3月27日。だからいいだろ?」

 早生まれのどん尻だ。十七歳……、ようやく彼は十七歳になる。そしてあと二か月すると空の命日もくる……。

「庭の下見がてら送ってくから、一緒に帰ろ?」

「庭は、まだ……わからないよ」

 もたもたと答えると、セジは「はい決定、靴履いて」と私の腕を取り玄関までつれていった。私は彼が口にした『一緒に帰ろう』という言葉に、感情が迸りそうになるのをぐっと堪えた。

 自宅が近づくにつれて、セジは「やべえ、緊張してきた」といっておなかに手を当てた。

「見せたいものってなんなの……?」

「もう少しでわかるよ」

 予想はつかなかったけれど、彼の明るい様子に安心していた。

 リビングに入るとセジが訊ねた。「いつも寝てる場所どこ?」

 私がソファーを見ると、「ほんとに?」と目を見張る。

「ちゃんと眠るときは?」

「上、かな」

「じゃそっち」

 二階に人をあげたことはない。入院中は朋たちに空の世話を頼んでいたけれど、管理しやすいように一階だけを使用していた。躊躇っていると、「大丈夫だって、ほらそんな顔しない」とセジが促した。

 今でも寝付けない時はベッドを使うけれど、寝室にはあまり来ない。この部屋で空と添い寝していた記憶が蘇り寂しくなる。

 壁に姿見がひとつ置いてある。空はたまに姿見の前に座り、そこに映り込む自分の姿を不思議そうに眺めては、ちょいちょいと手先を伸ばして触れていた。後ろから私が、どうしたの? 楽しい? と声をかけると振り向いて、必ずにゃあと返事をした。

 セジの姿が鏡に映り込むと、記憶にあった空の影に重なりはっとした。隣に立っているくせに、鏡の中に捉えられて初めて彼が実在していることを理解したような気分で、私は俯いてしまった。

 部屋は夕方の光を湛え仄かに明るい。思い出の部屋を見せたことへの微かな後悔が降りてくる。見せたいものってなんだろうと考えているとセジがこちらを向いてジャージをズリ下げ、上衣を捲った。

「まだちょっと早いけど」背中を丸めて腹部を晒す。

 腹部には透明フィルムが貼られていて、血が滲んでいるのが透けて見える。セジがラップのよれを指で伸ばすと、内側の絵柄が浮かび上がった。そこにあるものを見て私は言葉を失った。

「これって……どうして」

 猫の顔が彫られていた。――空だった。

「名前入れっかな、とも思ったけど、漢字まんまいれるってなんか外国人みたいでダサいし、顕花っぽいやつ、なんかないかなって調べちゃみたけど、彫り師ががそんな花はないっていうしさ」

 白猫かどうかなんてわかるはずないのに、確かに空だった。西日が射す中、この部屋でごろごろとするのが好きだった。

「うっそ。実は最初から空のこと彫ろうって決めてたんだよね。って、聞いてなかったね?」セジが笑って覗きこむ。

「見てもいい……?」私はぼうっと吸い寄せられた。

「うん。まだ痛いからあんま触んないでネ」

 お腹にはワセリンが塗られ、ラップで覆ってあった。軽くサージカルテープで留めてあるけど、血が滲んで良く見えなかった。

「外す?」セジがラップの端に指先を添わした。「外せるの?」

「いいよ、あとで新しいラップ貸してね」ゆっくりと端から捲り、血でどろどろに弛んだワセリンを服で拭うと、セジが横たわった。

「この方が見やすいかな?」大の字になって身体を晒す。

「……ちょっとだけ、触っていい?」

「いいよ」セジは天井を向いたまま、静かに答えた。

 墨が彫られた部分には手を触れず、そっとお腹の右脇に指を添わす。そのままセジの腰を掴み、空を抱きしめたい衝動に駆られる。

 よく彫れていた。いつも見ている空だった。「いつ撮ったの?」

「最初に顕花サンち行ったとき。こっそり」

「気づいてたんだ……」

「そりゃわかるでしょ。カーテン不自然すぎ」

 あのときからこうしようと考えていたのか、後になって思いついたのかはわからない。とても彼らしい気がした。でも……、

「……本当に、どうして……」

「だって空は顕花サンの子供なんだろ? だったら腹が似合うじゃん? 代わりにおれがもっかい産んでやるって~」

 不意を突かれて動きを止める。そして意味が呑み込めた途端、私の視界はみるみる滲んでいった。「バカじゃないの……」

「あれ~泣いちゃった?」

「バカでしょ、だってもうとうの昔に一回生まれてるし」

「あ、そっかあ~。さすが顕花サン! そんでバカはほら、いつものことだろ?」私の涙を拭おうと、節立った指が伸びてくる。一瞬私の右頬に触れるか触れないかのところで、セジは手を止めた。

「そっくりだね……」俯いて呟く。

「でしょ」と応えて私の涙を攫った。

 しばらくは一言も話さなかった。墓前で心置きなくお別れを許された寡婦になった気持ちで空を見つめた。円らな瞳が愛おしくて、狂おしかった。左側を撫でる。抱っこするのはいつも左側だった。

 空を左胸に抱えるように横たわり、セジの胴体に両腕をそっと回す。おでこを腰に付けると空の体温が感じ取れるようで、自然と涙が零れた。目を瞑り、柔らかかった感触を思い起こす。温かい。柔らかい。ぐるぐると鳴いて、いつも最高の心地好さをくれた。『嬉しい』はうつる。空が嬉しくなると、私は何より嬉しかった。

「ありがと……」

 セジは黙っていた。そのまま私たちは、何時間もそうしていた。

 カーテンの隙間から射す月明かりの手前で、空気中の塵がちらちらと光を受けて漂っていた。空気が対流しているのがわかる。この部屋は夜冷えるけれど、セジが隣にいると温かかった。

 クローゼットから羽毛の上掛け布団を引っ張り出して被ると、かまくらの中で、一緒に潜んでいるみたいな気分になった。

「裏空き家なの? ひとりで怖くない?」

「最初は怖かったけど、近隣、本当に人がいないから、寧ろ平気」

 たまに地域限定のニュースがスマホの配信で届く。女性が襲われたとか、子供の連れ去りがあったとかいう類のものだ。でも不審者情報はいずれも駅付近ばかりだった。白鳥庭園裏の桜通り、堀川沿いの遊歩道――あの辺りはやはりひとりでは怖い。「怖いのは人より猫の鳴き声かも……」春先になると交尾する声が泣き止まない赤ちゃんの悲鳴に聞こえて気持ちが滅入る。あの時期には意味もなく空気清浄機を最強で稼働させ、騒音で部屋を埋めたりした。

「――外、写真撮れなかったな」

「写真?」

「庭の下見。なんかおれ、箕面さんにスカウトされちった」

「それって、造園職人にならないかってこと?」

「うん、土いじってると良い顔してるって」

 出会って日の浅い少年にかける言葉としては唐突にも思えるけれど、相手がセジならそれも分かる気がした。

「植物を見るセジの目は優しいから……」

「あれ? もしかして今褒められてる?」歯を見せて笑う。

 照れ隠した素顔が愛しく幸せを願わずにいられない。今日はもうこのまま眠ってしまおうか……瞼を閉じかけると、セジが言った。

「散歩に行かない?」

「……いいけど、どこに?」

「どこでも。このままだとおれ寝ちゃいそうだからさ」

 セジは、桜を見に行こうといって起き上がった。外の往来はなく、月明かりを供していた月も今はひっそりと、朧に隠れていた。

「桜なんて咲いてる?」

 近隣住宅の庭にある桜は月初めの雨で殆ど落ちてしまった。

「咲いてるよ。猫探してあちこち行ったからとっておき見つけた」

 セジは隣室から逃げたという黒猫を今でも探しているといったけれど、たとえ見つけても本当にその子かどうか確認する術もなく、どうすればいいかわかんねえやと情けなさそうに笑った。

 夜道を歩きながら睦言を交わす。ピリカを超えて大瀬古橋を渡り、堀川に沿って前ヶ須街道を南下すると、宮の渡し公園に着く。別名「七里の渡し」昔の船着場だ。伊勢湾台風の跡地でもあり、記念碑が立てられている。実際に来たのは初めてだった。

「この辺り、昔おばあちゃんが住んでたところだって言ってた。屋根の上まで水に浸かったって。こんなに近かったんだ……」

 堀川沿いなのに奇しくも空気が澄んでいる。見事な退紅の野点傘を水面に差しかざすよう、一本の桜が枝葉を伸ばして咲いていた。セジは樹の下に立つと土に坐し、花弁の透目から空を見上げた。

「顕花サンが今一番つらいのってどこ?」

 小さな声に応え、私は隣に腰を下ろす。「気づいてたの?」

「女の人の病気のことは調べても正直あんまよくわかんないけど、内臓取らなきゃいけないくらいでかい病気だったんだってことはわかるから。――何を取ったの?」

「子宮と、その周り」わかる? と訊くと、彼は肯いた。

「じゃあもう赤ちゃん産めないんだね」

 外連味のなさが子供だと思う。そんなこと誰も私に言わなかった。でもこれまで受けたどんな言葉よりまっすぐ届いた気がした。

「うん。産めない」それが、これ以上なく端的で有体な私の姿。でももう平気だと伝えかけると、セジが思わぬことを言った。

「入れれないの?」私は驚いて彼を見つめた。堀川の照り返しを受けてうっすらと光る彼の素直な眼差しは、ただ知りたいという純粋な好意から来ているものだと理解できた。それで私は答えた。

「痛いと思うから……、絶叫するかも」

 セジが絶句して口を開ける。それで私は少し楽しくなり、追い打ちをかけた。「それに破れるかも」

「はあっ!? 破れるってなに!?」開けた口をさらに開ける。真剣な話をしていたはずなのに、その様子がおかしくて笑ってしまった。

「入口はあるけど、半分くらい、切られてるんだよ」

 放射線の影響で手術痕が塞がらず、膣から便が出ることもあると先生が言っていた。私はそれらの朧気な「可能性」をすべて潜り抜けて今ここに立っていて、十代の男の子にこんな告白をしている。人気のない川沿いの敷地、渡し舟乗場跡にひそかに咲き誇る桜の樹の下で。それがとても不思議だった。見上げる空はまだらで透き通ってもいなくて、それでもああ、きれいだ、いい夜だと思った。

 骨折をした同級生の男の子が松葉杖をついて登校してきたあの日、彼はみんなに囲まれてヒーローみたいに笑っていた。

「それってさ、普通の高校に行ってたら教えてくれるやつ?」

「どうだろう。教えてくれないような気がする……」

「なんでよ! こういうのこそガッコで教えるべきでしょーが!」

「そういうのは文部大臣にでもならないと変えられないかもね」

「なあんでよ!?」公園にセジの声が轟くほど響いた。

「フザケテルゼ、ニッポン!」

 そうだねとふたりで大笑いしたあと、セジは腹が痛いといって、地面に大の字に横たわった。私も横に座り、ありがとうを伝える。

「もう独りになっちゃったけど……。私は、大丈夫だよ……」

「大丈夫はダメでしょ?」セジはそう言ってから、「でもおれ、顕花サンだけいればいい」と私に抱きついた。

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