第25話

今はまだご活躍中のスオウのお祖父様が、隠居した時の為に建てられたという建物。



昔話でしか見た事のないような、日本古来の純和風の日本家屋と、その隣にある異国風な洋館。



まるで人目を避けるかのようなこんな山奥に―――それなのにやたら堂々と建てられた2つの館は、不思議なくらいに山の風景と調和してて、まるで一枚の絵を見てるようだった。



日本家屋と洋館という、対照的な建物が隣り合わせに建ってるというのに、ちっとも違和感がなくて気持ちが悪いくらいだった。



「こんなド田舎の山奥だとは思わなかった?」



呆然と立ち竦む私に、車を降りて来たスオウが楽しそうにそう言ったけど、正にその通りだった。

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