第17話

魔物を愛し、魔物に愛される女の子の話だった。



有り得ないファンタジーに最初こそ鼻で哂ってたけど、すぐに私は夢中になった。



時間を忘れ、読みふけってしまうほどにワクワクはした……ものの。



さすがに私も、夢と現実を混同してしまうほどの夢見る少女じゃない。



白馬に乗った王子様を期待してはいるけど、そんな王子様がホントに居ると思い込めるほどファンタジーな世界では生きてない。



だから――夕べのアレは絶対夢なんかじゃないって言い切れる。



魔物はホントに居たんだ、と。

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