第16話

「…………」


「夢だよ」


「…………」


「全部シホが見た夢だ」


「…………」



いや、確かに。



状況的に見れば、夢だとしか言い様がないのが現状だ。



実際私は誰に攫われる事もなくこの場に居るわけだし、今の私と同じような状況で過ごす主人公の小説を読みながら眠ってしまったのも事実。



相手が魔物なのにも関わらず、愛してしまった少女の話だった。

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