第14話

ちっとも朝食が進まない私に、正面に座ったスオウが畳み掛けるかのように声を掛けて来る。



「ここはうちの祖父の私有地だって。この辺り一体の山々は、うちの祖父のものなんだって」


「……聞いた」


「たとえ全裸で過ごしてても誰にも見られる事はないし、まず誰も来る事はないって。ここへ到着した時に、確か俺そう言ったよな?」


「まず全裸で過ごす事はないから大丈夫よ、って、私は答えたような気がする」


「うん、だよな?」


「…………」


「そうだよな?」


「…………」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る