【詩】とりあえず、生きてみることにした。

こわき すすむ

期待しないで

終末の世界。

最後の神話を信じていた。

「やればできる」

それに裏切られた。

ぼくは終わりだ。

無能なんだぼくは。

だから終末のドライブをした。

生きてるけど、屍の魂だった。

車を降りた。

歩くのも疲れた。

道路脇の林の向こうまで道があった。

もしかしたら崖っぷちにたどり着くかもしれない。

落ちて死ぬかもしれない。

それならそれでいいか。

でもそれでも先に進めたら?

(え?どういうこと?)

ぼくが空を飛べたら?

それで生きられたら?

そのまま飛び続けて明日が来たら?

(いやいやおかしいだろ。)

それは妄想であった。

目の前には道があった。

妄想を信じていいの?

信じるべきかどうするかが分からないまま、ぼくは決められなかった。

このまま引き返したら、

誰か、喜んでくれる人がいるだろうか?

ぼくはそれを期待して家に帰ることにした。

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【詩】とりあえず、生きてみることにした。 こわき すすむ @kowaki

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