第17話 一夫多妻。

夜更けまで松子さんと交わった僕は慣れない布団で浅い眠りの中にいた。

「チェリーさん、少し好いですか?」

の声に呼ばれて瞼を開く先には、老舗旅館の女将みたいな清楚系知的美人の百合子さんが正座して、

「手前どもの娘をご寵愛いただき真に有難うございます」


僕と松子さんの行為を目撃した様な口ぶりに少し驚き、

「男女の交わりを覗き見するのは芳しくですね」

行為を見られた恥かしさより寝ている僕を起こしてまで言う百合子さんに違和感を持った。


「機嫌を損ねさせたなら申訳ございません、一つ確認をお願いしたくてご就寝の所に声を掛けさせて頂きました」

一つ確認って何だろう、若しかして僕が不満で松子さんの求婚に待ったを掛けるのか、それとも別の事なのか判断出来ない。


「その確認とは?」

常日頃から『訊くは一時の恥、訊かぬは一生の恥』を肝に銘じている僕は素直に尋ねた。


「我が家では代々女子が続き、外から男性を御招きする女系家系で、私の亡き夫もそうでした」

松子さんから『小さい頃に父を亡くした私はファザコンです』と聞いていたから特に驚きはしないが、

「承知していますけど、それが何か?」


「もう一つ、女系の女は婿入りしてくれた男性に尽くします、もしも浮気されても別れる気持ちは全く無くて、逆に夫を満足させれなかった事を後悔して更に尽くします、それが重いと浮け留める方には、佐倉の夫には相応しく無いかと」

百合子さんの言葉は男冥利に尽きると感じた僕は、

「素晴らしいですね、未だ未熟な僕でも有り難いと思います」


勿論それは了解した意思からで、百合子さんの確認は終了したと判断した僕へ、

「もう一つだけお願いが有ります」

終らない百合子さんの言葉に僕は、

「未だ何か?」

と応答した。


「当家の家訓では、迎えた夫を家族全員で持て成し尽くす仕来りで、簡単に言えば『一夫多妻制度』の家です」


歴史的には社気的地位の高い男性が正室以外に側室を設けた将軍とか、経済的に裕福な中近東の富豪が何人もの妻を養うとか、それもやがて日本では禁止されていたが、此処の佐倉では現代でも一夫多妻制を継続していると言うなら、僕はどうなるのか・・

「若しかして、今ですか?」


「チェリーさんはお察しが宜しいようで恐れ入ります」

具体的には何も想像付かない僕は、

「それでどうすれば?」


「夫を亡くして八年の私も家族の一人として、心と身体に空いた穴を埋めてください」

それは僕に百合子さんを抱けと言うことか、求婚された松子さんの母と交わるのも家の仕来りなのか、本来なら断るべき申し出だが、三十九歳の年齢を聞かされた清楚系美熟女の百合子さんを拒む理由を見つけられない僕は、


「こんな僕で良ければ」

あれほど松子さんと交わった数時間後には僕の相棒は臨戦態勢を整えていた。


「殿方と肌を合わせるのは久しぶりなので、お手柔らかにお願いします」

そんな百合子さんの恥じらいが逆に僕の本能に火を点けた。

出産を経験した美熟女の女体は柔らかく、僕の相棒を波打つ様に包み込む。


果実に例えるなら、二十二歳の松子さんはシャリシャリと歯応えが残る甘い梨で、母の百合子さんはシットリと柔らかく甘い果肉の白桃みたいな、どちらも素晴らしかった。


「そんなに激しいのはダメですぅ、そこも、もうダメになるぅ」

その言葉とは裏腹に中へ中へと引き込まれる僕に理性が消えて、やがて絶頂から暴発した。


「チェリーさんの若さに気絶しそうでした、亡き夫を思い出せないほどジンジン凄いです」

これはこれで恥かしいが百合子さんの誉め言葉と受け取るけど、今日まで恋愛未経験で精神的な童貞の僕が一晩で二人の女性と交わった、しかもAVアダルト的に言うと母娘丼おやこどんじゃないか、























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日本の未来、人口増加計画 鮎川 晴 @hotetu99370662

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