第5話 まさか人妻と。
地球環境の温暖化よりも熱帯化で人間の主食が米や小麦粉のパンやパスタなど麺類の炭水化物からタンパク質である
年配の女性にはお勧めの効果でも中高年と若い男性に摂取量に注意が必要とされていたが、植物系男子が増えたのは『大豆イソフラボンの過剰摂取が原因』と誰も言えない現代の食糧事情で、大豆以外の魚類や動物性のタンパク質を得るには
相当な金銭を必要とする。ただ相当な金銭と言っても現在は国内の経済全てがジャパン・ポイントで取引されているから『ジャポイ払い』と表現するのが正しいと言える。
昼食に貴重なタンパク質の黒毛和牛を食したミーシャさんは、僕の欲望を満たすように午後から何度も肌を重ねた。
思い出すのは高校時代の柔道部で仲間達が『一晩の自慰で何回抜けた?』と性欲自慢で馬鹿笑いしていた。
『俺は七回』『俺は八回』「俺は九回だけど最後は透明な汁しか出なかった』を聞いて流石体力自慢の柔道部員だ、その夜は僕も試してみたが友人の言った七回で限界と言うか、相棒の薄い粘膜がヒリヒリ痛くてチャレンジ自慰は終了した。
後日、体育会系のノリで僕も七回を告げた仲間は『痛く成る前にローションを使ったか?』『俺なんか姉ちゃんの高級美容液を無断で使ったのがバレて料理用の麺棒でメッチャ殴られた』それは腹を抱えるほど面白い話でもその光景を想像すると素直に笑えなかった。
蘇る記憶に苦笑いする僕へミーシャさんは、
「今更だけど私、パートナーが居るのよね」
それが本当なら僕は人妻とエッチした事に成るのか、状況が理解できずに黙り込む僕へミーシャさんは、
「私のタイプは年上のイケオジで、今の夫も十歳以上年上なの、結婚して五年が経ち早く子供が欲しくても子宝に恵まれず、専門の医療機関で不妊治療を受けたわ、そう何度も」
ミーシャさんの告白に黙ったままの僕は続きを求める様に頷いた。
「結果的に初任務のチェリー君を騙したみたいで申し訳なく、自責の念と言うのかな、責めての償いでチェリー君が満足するまで持て成したくて、と理由を付けたけど私も性欲を満たしたいのも有ってね」
「うん、僕は平気ですよ、でもよく子作り支援の審査が通りましたね」
「そこは人口増加計画の本質と同じみたいで、ダメ元で申請したら認可の通知が来たわ」
それが厚労省の判断なら職員の僕は従うしかないし、手取り足取りで男女の交わりをレクチャーしてくれた人妻のミーシャさんに好意が無いと言えば嘘に成る。
「ミーシャさんには感謝しか有りません、謝らないで下さい」
「それを聞いて安心できるわ、ねぇチェリー君、私って何歳に見えるかな?」
僕には経験無いが大学の同期が合コンで女子学生から言われる定番のワードにここで出会うとは・・・
中肉中背、丸顔で肩までの黒髪ショートと整った目鼻立ち、女性に縁が無い僕が見ても二十代後半から三十歳と言う所か。
「顔の見た目とスタイルラインから大人の二十七歳ですか?」
お世辞と社交辞令を込めて少しだけ若く言ってみた。
「もう煽てても何も出ないよ、私の実年齢は満三十二歳、数えなら厄年の三十三歳、これが最後のチャンスで妊活にチャレンジしたわ」
「ミーシャさん若いですね、あ、これは身体がってセクハラですか?」
「ううん、弟みたいな男の子に言われて嬉しいよ、もし妊娠して無かったら次もチェリー君を指名できるの?」
ミーシャさんの質問に支援課の業務端末で確認すると『受胎出来ない理由には身体の相性が合わない場合もあり、子作り支援の職員は一期一会の性交渉に限る』と明記されている。
「僕も残念ですが二度目は無いみたいです」
「そうなんだ残念、じゃあこれは?」
これまでの受精行為の中で一度もされなかった唇へのキスと舌を絡めるベロチューを強引に奪われた。
「え、何で今更キスを・・・」
強引なキスに戸惑う僕へ、
「だって私がキスしたくなったから、最後にチェリー君のファーストキスも貰っちゃうわ」
「順番が逆みたいです」
照れ隠しの僕へミーシャさんは、
「最後に、私の本名は美沙江、何処かの町でで会ったらミーシャじゃなくて美沙江って呼んでね」
最後の実名を告げたミーシャさんはホテルの客室を出て行った。その背中を見送る僕は支援課の端末から『任務終了』を送信後に『直帰します』と二度に分けて送信した。
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