惑星ハルピュイアイ
本来の星の姿と由来
• 元は切り立った山々と底の見えない谷底の荒涼とした惑星だった
• アームコアをはじめとした鉱物資源が大量に取れるところから開発された
• 荒涼とした大地は切り裂くような風を生み出し、この星は常に強風による影響を受け続けている
• ハルピュイアイとはギリシャ神話に出てくる怪物「ハルピュイア」の複数形。ハルピュイアは暴風の擬人化であり、かつては神の一柱だった
• ハルピュイアは神罰の一種でもあり、食欲旺盛で食料を見ると意地汚くむさぼり、残飯や汚物をまき散らかして去っていく。神に不敬を働いた者にはハルピュイアイが遣わされ、飢えと汚物に苦しまされるのだ
• 過去この星に降り立った人たちは、常に暴風に襲われる過酷な環境からこの名前を付けたのかもしれない
現在の姿
• 現在は植物型有機ナノマシンによる緑と山々そして開発後放置された機械類の錆でおおわれている
• 植物型有機ナノマシンは本物とは異なり、葉や花の部分がクリアパーツで透けていたり、よく見るとカクカクしていたりするのでそれで判断できる(レゴやその作品イメージ)
• また、このナノマシン、汚物はもちろん、錆なども分解してエネルギーに変換・繁殖できるため、過去開発に使われた建造物は徐々に浸食され、土ならぬ緑に『還っている』
• 現在、開発はほとんど止まっており、山を切り崩すことでできた『台地』と、惑星の収入源激減に対応すべく、観光地・歓楽地と化した巨大都市が収入源であり、星の中心である
上層区とその住民について
• 巨大都市は通称『上層区』と呼ばれ、都市ができた当初選定された人々とその子孫が住んでいる
• ウィンストン家が主導する星立の研究所やライアンの拠点・チナツ達ガイノイドの製造工場があるのもここ
• 開発の過程で出てきた土砂で埋め立てられた大地の上にあるが、山とほぼ変わらない超巨大ビルとそれらを結ぶハイウェイに囲まれているため、強烈なビル風が発生している
• このビル風による事故を減らすため、人が歩ける場所はビルの外に走るチューブ内だけ。それもすべて自動で動くため歩く必要がない。まともに歩けるのはほぼビル内だけである
• ここに住む人々は政治家や高度な技術を要する技術者・最先端技術を研究する科学者・突飛な才能を持つ芸術家など、いわゆる頭脳労働者
• 例外として軍人やライアンのような傭兵がいるが、これは主に惑星外からの外敵から身を守るためとされている
• しかし傭兵チームの中にはあえて下層区民に罪をでっちあげ虐殺、有料動画などにアップすることで収入を得ているところも
• 上層、とはついているが実際のところ倫理はおろか自分で考える事をすべて機械や技術に投げ出し、惰性をむさぼる愚民の群れである
• しかし、そんな状態でも成立するほど技術が進んでいるのも現実。この事実に気がついて星外に逃げる上層区民も珍しくはない。中には同じ意見を持っている下層区民の分まで費用や脱出経路を確保し、集団移民になる人もいる
• 生活は配給と自由通過による買い物で成り立っている。そのため、例えば食事や水道光熱費・住居はすべて配給で済ませ、あとは芸術活動に専念する、なんて生活も可能。いわゆるベーシックインカムが成立している
• この配給には特別な条件を満たした者だけが受けられるものもあり、その一つが有機ガイノイドである
有機ガイノイドについて
• ハルピュイアイでは、一定の労働による収入や功績を果たしたものに、特別な配給がされる。その一つが、有機ガイノイドである
• 有機ガイノイドというが実際は遺伝子の欠けあわせで製造され、思考などに制限をかけるため実質はデザイナーズチャイルドに近い
• 配給物資扱いではあるが、名字や上層区民としての市民権限を与えられる。しかしこれは一種の『プレイ』の一環であり、便宜上のものである
• ファーストネームはランダム・ミドルネームは型番・ファミリーネームは製造元を指す。そのため、人間の名前ではないという意見も
• 実際の社会的な扱いは良くてペットのような『家族』、実質は奴隷みたいなもの
• 目的ごとに強化や制限がされており、それらはミドルネームにて判断できる
• 配給を受ける市民の要望を受けて製造されるため、外見や内面はそのオーダー通りのものがほとんど。なおオーダーがない場合はすべてランダムで製造される
• また、オーダーを受ける前に製造され『貯蔵』されているものも
• ハルピュイアイに長く住む者やその子孫は重度の精神病や人格障害・異常性癖を持っていることが多く、これによる弊害を市民が受けないために生まれた
• そのため、愛玩から介護まで様々な用途を満たせる固体と製造設計図が用意されている
• 基本、オーダーや設計図通りのものが生まれるが、まれにそのどちらにも該当しないものが生まれることもある。多くの場合、このタイプは廃棄処理される
下層区とその住人について
• 上層部付近にも人やそのほかのものも生きてはいるが、バラック同然の粗末な建物ばかり
• この上層部付近の街、というか掘っ立て小屋の群れは位置と暮らしぶりから『下層区』と呼ばれるようになる
• 下層区に住む多くの人は、泥棒や詐欺などの犯罪行為、売春などで生活している
• まれにジャンクあさりや傭兵業で暮らすものもいるが、そんな暮らし方ができるのは体が丈夫なごく一部の男性、それも若いうちだけというのがここの常識
• またそんな暮らしも、上層区の憂さ晴らしや定期的に開催される『清掃』や、虐殺行為、異常繁殖する有機ナノマシンに飲み込まれ始めている
• 未来はおろか、今この瞬間の生活もおぼつかない人達で町は溢れている
遺跡
• ハルピュイアイでは『遺跡』と呼ばれる2種類の建造物がある
• 一つは、人類がハルピュイアイに入植する前からなぜかあった物で、こちらはその形状から『神殿』と呼ばれる
• 神殿の特徴として、すべての建造物が大きく、中央やそれに近い位置に巨大な椅子が置かれている
• この椅子は『玉座』と呼ばれ、この中またはその周囲ではアームコアがよく発見されている
• アームコアがなくてもアームヘッド関係の非常に高価な出土品が多く出ることから、神殿は下層区民が一山当てるお宝スポットとして認知されている
• また、アームヘッドとかかわりがないものでも上層区では神殿から出土された品は一種のステータスとして扱われているため、好事家のまねごとをしている上層区民の中には下層区民の人間を雇うか(ほぼ奴隷扱いだが)、ガイノイドを派遣して新たな神殿を探している者もいる
• もう一つは『廃墟』または『廃坑』と呼ばれる施設。これはまだハルピュイアイが鉱物資源などでにぎわっていたころの名残である
• 当時の研究施設やアームヘッドドックなどが、有機ナノマシンに覆われ『緑に還っている』状態のもの。ここからも色々なものが出土している
• アーニーをはじめとしたジャンクあさりが足を運ぶのはこちらが多い
• 神殿ほどレアではないが、そこそこのものがあるほか、生活に直結するものも見つけやすい
• 廃墟や廃坑で見つかったものは、下層区のジャンクショップやそれらを加工した製品を扱う店で販売される
• 下層区民が何とかかろうじて生きているのは、廃墟や廃坑にあった物とそれを発見するジャンクあさりのおかげ
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