第24話

次の日のお迎え。

私は言うべきことを頭で整理した後、担任の先生に声をかけた。

「あの、ちょっとお伺いしたいことあるんですけど、お時間いただけますか?」

担任の顔色が曇った。

「スミマセン。私、音楽会の係になってしまって💦💦少ししか時間とれなくて、5分で良ければ、今少しお伺いしますけど?」

「あ。わかりました。実は知人から、太郎君のトレーナー紛失事件の犯人が見つかったって聞きました。どうして言ってくれなかったんですか?アイミが疑われて、私や、娘が、どれだけ苦しんだかわかりますか?」

「…。まだ、そういう話をされるのですか?先日、健全な幼稚園生活を送っていただきたい。と、お願いしたところです。納得いただいた。と、思ってましたが…。もう終わったことです。おやめください。話は、終わってるはずですよ?失礼します。」

担任の先生は、そう言って向こうに行ってしまった。

はらわたが煮えくりかえる。


待て!逃げるな!担任!

そう思ったのも、つかの間、最近会わなかったチエちゃんママに会ってしまった。

「あ。お久しぶり〜✨」

何とか声をかけた。挨拶出来た私は偉いと思う。

「あ。久しぶり😑」

素っ気ない態度で、余計な事を喋らず行ってしまった。

チエちゃんママに、言えたら一番良いけど、本人に、直接言う勇気は無い。

でも、このままで済ませたくない。

どうしたら良い?

でも、言わなくちゃ。

子供のため。

私は母親なんだから。

「チエちゃんママ〜!ちょっと良い〜?聞きたいことあるねん?」

私は、勇気を出して、チエちゃんママを呼び止めた。

そして、今までの経緯をすべて話した。チエちゃんママは、黙って聞いていた。謝ってくれるはず。そう信じてた。

でも、チエちゃんママの答えは…。

「聞きたいことって、何?聞きたいことがあるって、呼び止めたよね?

自分の言いたいことを言っただけじゃない?何が聞きたいの?」

わたしは,耳を疑った。

「聞きたいこと?は、今の話聞いて、どう思うの?っていう事。だけど?」

「何とも思わない。監視カメラに映ってたって、噂でしょ?でまかせに決まってるじゃない?

そんな人だと思わかなかったわ。人格を疑う。アイミちゃんも、変な子だと思ってたけど、あなたも変な人ね。さようなら。」

そう言って、向こうに言ってしまった。

え。

監視カメラに、映ってたっていう事自体が上田さんの作り話?って、言いたいの?

でも、それなら、それで、担任も否定するだろうし。そもそも、監視カメラが設置されてることは、一目瞭然。

監視カメラの画像を見たら、わかる事だし、自分が、やったこと。わかってるよね。

警察に言う?

こんなこと扱ってくれるのかな?

でも、このまま終わらせたくない。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る