第10話

恭ちゃんは美味しくないって言うけど………


「ねぇ、美味しいよ……」


運ばれて来た焼き鮭定食を口にする

恭ちゃんも同じ物を口に運びながら


「そう?」

そうでもなさそうに恭ちゃんは一言だけ漏らす





「ご苦労様でございます!」

「ご苦労様でございます!」



また騒がしく挨拶がおこると恭ちゃんの綺麗に上に上がった眉がピクリと反応する




「恭佑くん、みーーーつけたッ!!」

「恭佑くんの彼女さん、こんにちは」



私と恭ちゃんの真前に立つ、美男美女……


私は無言でその2人を見上げる



「わ、本当に可愛い!目の色綺麗淡い茶色とグレーで吸い込まれそう。それに髪の毛地毛?綺麗。ちっちゃいのに、何この綺麗な顔」


私の顔をマジマジと間近で見入る

私と同じ髪の色をした黒い瞳の美人と



「リンちゃん、初めまして。菅原組の本部長補佐の菅原春翔(すがわら はると)です。こっちは妹の日和(ひより)、宜しくね?」


陽だまりの様な笑顔を振りまいて来るのは

紫がかったグレー、アメジストグレーの髪色に緩やかなパーマを当てたこちらも美男子


2人とも二重で一文字のストレート眉がとてもセクシー


そしてどちらも私達より歳上に見える




「なぜ、春翔と日和がここに?」

恭ちゃんが静かに2人に声を掛ける



「え、だってココ、私の家だし?」

その美人が答えると


「今日は絶対、リンちゃん連れて食堂くると思ってたんだよね」

と、美男子が続く。




……私の名前……



………ん?


ここの家の人……??


さっき、名字何て言ったっけ………

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