第11話
「嗣也の長男と長女」
そんな試行錯誤してる私の頭の中を読んだのか恭ちゃんの声が私に降りかかる
「恭佑くんてさ説明が雑だよね」
「わかるソレ。彼女も大変だよね」
何だか分からないけど共感ポイントをつく
美男美女の会話に何故か頬が緩む
「……恭ちゃんの友達?」
思わずそう口にすると
美男美女の2人は顔を合わせてから声を上げて笑い出す
「違うよ」
恭ちゃんだけは無表情にただ否定するだけ
だって恭ちゃんの事よく知ってる風だし
けど違うんだ
「ねぇ恭佑くん。リンちゃんに必要な物まだ買い揃えてないんだよね?」
そんな恭ちゃんに美女の日和さんは質問を投げると
「……ああ」
恭ちゃんがそれを受け取り答える
「だったら私と一緒に買い物行かない?」
とても綺麗な黒目をキラキラさせながら
私の至近距離まで顔を寄せる
「僕も行きたいな」
それに割ってくる春翔さん
「春翔は山程仕事あるから無理」
恭ちゃんが横から口を出す
「だよね……内戦でベテランこっち派の紫龍さん以外再起不能にしちゃったもんね……」
春翔さんの"内戦"て言葉が耳についたけど
「春翔?」
「すみません」
恭ちゃんの静かな声に春翔さんは静かに頭を下げ
そして
「ごめんね?リンちゃん今の忘れて?」
そう言ってこちらに顔を向け笑う
「………」
聞きたいけど聞ける雰囲気じゃないし
「あの、私コレと言って必要な物ないんで」
話を戻す様にそう伝えると
「リンは行って来たら?食材もついでに買って来て欲しいから」
恭ちゃんの言葉に
「……え、あ、うん…じゃあ……」
「ふふふ、決まりね?まぁ、まずご飯食べちゃって!!それから、いかにも"エッチの後です"って服、着替えて来てね?」
「は?……」
日和さんの言葉に思わず声が漏れ顔が熱くなる
恭ちゃんは何食わぬ顔でご飯を食べてるけど
私1人、顔熱い
「ほーんと、可愛いんだね、リンちゃんて」
春翔さんが陽だまりの微笑みを作り
「本当可愛い」
日和さんが私の頬をつつく
もう本当、無理
「やめて下さい。」
「「…うん………本当…可愛い……」」
本当やだ。……何、この兄妹!!
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