応援コメント

第1話の変更点の解説(後編)」への応援コメント


  • 編集済

    こちらは概ね、改稿版の方が改善されているように感じましたね。やはり引っかかりがあるとすれば「兵士」のくだりでしょうか。
    空白行は極力省略し、以下に引用させていただきます。

    >・以前は冒険者業を営んでいたサイラスだったが、妻の死を切っ掛けに兵士になると言い出したのだ。ハッキリと口に出して言ったわけではないが、息子であるユーキを想っての決断だろう。
    >それをユーキは何となく察していたし、嬉しくも感じていた。だが同時に、ただ庇護の対象とされる自分自身に不甲斐なさを感じてもいたのだった。
            ↓
    >以前は冒険者業を営んでいたサイラスだったが、妻の死を切っ掛けに兵士になると言い出したのだ。
    >シュアーブは平和で、兵士といっても主な仕事は町の治安維持と訓練だ。
    >ハッキリと口にはしなかったが、息子であるユーキを想っての決断だろう。この時のユーキには、そこまで思いを巡らす事はできなかったが。

    >梶野カメムシさまから「シングルファザーが兵士になるのは不自然」との指摘を受け「平和で安全」を強調しましたが、私としては「とってつけたような文章」に感じてしまい……。何か表現を間違ってしまった気がします……。
    >(梶野カメムシさまから提案された「借金の為に兵士にならざるを得ない」「兵士ではなく、衛士に転職したが戦争に駆り出される」などの設定は、後のストーリーに大きく影響が出そうなので使えません)
    >またサイラスの転職理由を、ユーキは察していない事に変更。(8歳や10歳なら、察せない方が自然だと思ったので)


    ⇒この部分なのですが、「話の主題」はサイラスですが、「話の主役」はユーキなんですよね。つまりは読者の視点も、ユーキの側に寄り添っている状態です。そうした理由もありまして、私個人としては、【旧版】の方が好みではありました。

    ですので大変僭越ながら、【旧版】をベースに【改稿版】の要素を加え、私が思いついた改善案を提示させていただきたいと思います。


    【これまでは冒険者として世界を飛びまわっていたサイラスだったが、彼の妻――すなわちユーキの母の死を切っ掛けに、兵士となる決心をした。これは戦い方しか知らぬ彼なりに、愛する息子を想って行なった精一杯の決断だったのだろう。

     また、父が平和なシュアーブの兵士となれば、これまで以上に自身と過ごす時間も増える。それをユーキは何となく察していたし、嬉しくも感じていた。だが同時に、ただ守られるだけの自分自身に対し、不甲斐なさを感じてもいた。】

    ※自身のコメントを読み直し、投稿時のものから少し文章を修正いたしました。「彼なりの」「想っての」「精一杯の」と、「の」が連続していたため。リズム自体は良かったのですが。


    このような感じとなりました。おそらく、親世代が納得しない要素としては、「小さな子供を放置するなんてけしからん」といった部分なんだと思います。ですので「平和な街の兵士になることによって、これまでよりも子供のために行動できるんだよ」といった面を強調してみました。

    現実の世界だって、未来に何が起こるのかまでは、わかりようもありません。ここでは「父」としてのサイラスが「彼なりに最善を尽くしたんだ」という点のみをしっかりと伝えることができれば良いのではないかと考えました。

    「戦い方しか知らない」の部分は、私がサイラスの人物像を読み取って勝手に付け加えたものですので、もしも違っていましたら大変申し訳ございません。冒険者も一般的なイメージから、「世界を飛びまわっていた」とさせていただきました。

    そして、子供にとって何よりも嬉しいことといえば、やはり「親と過ごせる時間が増える」といったことでしょう。「妻」だけではなく「母」も加えることで、この「子」にとっては「父・サイラス」しか拠り所がないんだという部分を強調いたしました。この年代ならば、親と外出するだけでも充分なご褒美になりますからね。

    こちらはユーキ側の視点として、子供の率直な嬉しさを表してみました。
    後半部分の〝だが同時に〟以降を残したのは、ここがユーキのアイデンティティであると感じたためですね。改稿版では大幅にカットされておりますが、「年齢よりも達観している」といった点こそ、ユーキらしさであるのは変わらないのではないかなと。それに、旧版よりも年齢があがっておりますからね。


    校閲まで行なうのは無礼とは思いつつ、何かのヒントとなることができればとも思い、作品に手を触れさせていただきました。大変申し訳ございません。
    また、当然ながら「このとおりにしろ」などとは微塵も思っておりませんので、スルーしていただいても構いません。
    少しでもお役に立てましたら、大変嬉しく思います。

    作者からの返信

    本当に、幸崎 亮さまには頭が上がりませんっ。


    >つまりは読者の視点も、ユーキの側に寄り添っている状態です。そうした理由もありまして、私個人としては、【旧版】の方が好みではありました。

    この一文に限らずですが……【改稿版】は【旧版】よりも、「視点が第三者側に寄っている」と意識して書いたせいですね。
    キャラの視点に寄り添うと、よりキャラの心情に感情移入しやすくなるという利点はあるのですが、「視点がブレやすくなる」という欠点も抱えてしまいます。
    ここは、まだまだ自分の中での最適解が見つかっていないですね。(好みの問題もあると思いますが)


    そして頂いた「改善案」ですが、そのまま使う事はできなさそうです。
    冒険者の設定が少し違うのと、文字数が多いのが理由です。

    本作の冒険者は一般的な冒険者というより、現実の派遣社員に近い設定でして……。
    それと文章量の削減は、今回の改稿の主題ですので……。

    ただ、そのまま使う事はできませんが、大事な事を教えて頂きました。

    >子供にとって何よりも嬉しいことといえば、やはり「親と過ごせる時間が増える」といったことでしょう。

    これは、確かにその通りですね。ユーキは少しヒネているところもあるので、私自身が気付いていませんでした。
    なんだかんだ言っても父子仲は悪くないので、一緒に過ごせればユーキも嬉しい筈なんですよね。


    最後の「ユーキがサイラスの気持ちを察していたかどうか」については、どちらを取っても「良い部分」があり、悩みますね。

    「ユーキのアイデンティティ」と仰って頂いたのは確かにそうです。ここでキャラの特徴の強化にもなりますよね。
    でも本作は、作中で10年という月日が流れますので、最初は未熟さを見せた方が、よりキャラの成長も演出できるように思います。

    どちらも捨てがたいですね。
    でも「両取り」は無理なので選ぶしかないですね。


    >校閲まで行なうのは無礼とは思いつつ

    無礼などと、とんでもありませんっ!
    私からお願いしているのですから、感謝をする事はあっても不満に思う事など何1つありません。
    本当にありがたく思っておりますっ。

    役に立ちましたともっ。
    ユーキの気持ちは常に考えているつもりですが、それでもまだまだ理解が足りなかったようです。

    ユーキも子供、子供は親に甘えたい。当然ですよね。
    でもユーキは甘え下手なので、そういう所を上手く表現できれば良いですね。
    精進しますっ!