編集済
冒頭の英雄王ローランドの本ですが、
文体を変えるのであれば思い切って神話っぽく調べを整えるのも有りかなと思います。
↓みたいな感じはいかがでしょうか?
生贄の少女が祭壇へ上る
邪竜の血肉となる為に
周りを囲むは邪教徒の影
背に突き付けられるは黒き槍
少女の命は風前の灯
闇の中を邪悪な歌声が響く
――君は私が守る
救い来るは黄金の騎士
邪歌を掻き消す澄んだ声
振り下ろされた大剣が
邪教徒と闇を黄金の光に変えた
黄金の剣士は少女を胸に抱き
邪竜に剣を突き付ける
『英雄王ローランドと7つのリング』
第2章17節より一部抜粋
アレクとユーキが読んでいる本という事で、語尾をですます調にしてある程度子供にも読みやすくするパターンもあるかなと思います。
こんな感じ↓
恐ろしい竜の生贄になるために
清らかな少女が祭壇へ上っていきます
汚れた邪教徒に槍で脅されながら
弱々しく歩を進めています
闇の中を邪悪な歌声が響きわたり
少女の命運は今にも尽きそうです
ですが、その時でした
「そこまでだ」
金色の騎士ローランドが少女を救いに現れたのです
澄んだ声が邪悪な歌声を掻き消しました
大きく振り下ろした剣が、邪教徒と闇を黄金の光に変えます
「安心しろ。君は、私が守る」
力強くそう言うと黄金の剣士は少女を胸に抱き
邪竜に剣を突き付けました
『英雄王ローランドと7つのリング』
第2章より一部抜粋
オープニングを飛ばして1話から読む読者の方も多いので、1話の冒頭部の工夫で読者受けが良くなればいいなと思います。
差し出がましいようですが、少しでも執筆の足しになれば幸いでございます。
作者からの返信
なるほど……。
私が書いたものも含めて見比べると、どれも内容は同じなのに全然雰囲気が違って面白いですね。
特に、マンガくらいしか読んでこなかった私としては、セリフに「 」を使用しない表現は勉強になりました。
また、最後に「17節」と付け加えられているのも神話っぽくて良いですね。
2つ目は絵本の文章みたいに見えますね。(どちらかというと「アニメや戦隊ヒーローの絵本」みたいな文章でしょうか)
現代日本の感覚で言うなら、2人の年齢は対象としてはドンピシャですねw。
実は本作には、時々このような「書物による書き出し」の表現があります。
その度に文体を変更してはいたのですが、いかんせん引き出しが少なくて苦労しています。(それもあって『ローランド』は文体を変えていなかったのですが、それは悪手でしたね)
今回の改稿の主題は「文字数の減量」がありますので、頂いた例文をそのまま使用する事は無いと思いますが、一部を使用させて頂いたり、今後の他の文章で使わせてもらうかも知れません。
>オープニングを飛ばして1話から読む読者の方も多い
これは実際ありますね。
『激辛批評』の参加作でも「オープニングより1話のPVが多い作品」は、たまに見られました。
本作はオープニングを読んでいなくても問題のない構成ですが、その分第1話にも気が抜けませんねっ。
差し出がましいなど、とんでもありませんっ。私からお願いしている事ですから。
それに「少し」どころか「多いに」役に立っておりますっ。
経験の少ない素人の私にとって、あらゆる意見は大事に肥やしにさせて頂きますっ!
こちらでは三鞘さまの文章を引用し、私(読者)がどのように感じとったのかを率直に述べさせていただきたいと思います。引用にあたり、空行はある程度省略しております。
>・劇中劇『英雄王ローランドと7つのリング』
>こちらは見ての通り、全面的に変更しております。
>変更点は、「ならず者」を「邪教徒たち」に。「老人」を「少女」に。
>そして文体を変えてみました。
⇒【旧版】では「村を救う少年の話」といった印象でしたが、【改稿版】では、よりヒロイックな内容となりましたね。主人公(ローランド)の年齢も、少年から青年くらいに成長したようにも感じます。ただ、後の〝第1話〟にて、アレクが〝(物語の中の英雄みたいだな)〟と思うシーンとの兼ね合いを考えますと、【旧版】の方が「ユーキ = ローランド」といった印象にピッタリだったなとは思いますね。とはいえ読者の視点からすると、そこまで整合性を取る必要のある場面とも感じませんでしたので、【改稿版】でも大丈夫ではないかと思われます。
>・アレクの初期の年齢を6歳から8歳に変更
>『オープニング』の変更に伴い、初期の年齢を変更しました。
>この帳尻は第3章で挽回できると思います。
⇒こちらに関しては、私は一切気にしておりませんでした。私自身が登場人物の年齢をあまり気にしていないといった理由が主ですね。読み手である際も「高校生」「若者」「オッサン」くらいのザックリとした年代が判別できれば充分かなと考えております。しかしながら、年齢が重要であると考えておられる読者さまが多いのも事実。私も代表作においては主人公の年齢を18歳から20歳に引き上げた経験があります。理由は「異世界とはいえ、酒場に出入りするから」といったものですね。そのように考えますと、やはり年齢には気を配っておく必要はあるのかもしれません。
>・母の注意も聞かずに「とっもだち、たっくさんできるかな~」などと歌っていたのだ。
↓
>母の注意も聞かずに鼻歌などを歌っていたのだ。
>「『ともだち100人できるかな』のパロディだと思った」と言われ、ただ鼻歌を歌っていたという表現に変更。
>今思えば恥ずかしい限りです。
⇒これはたしかに、私も『一年生になったら』の歌詞なのかと思いました。こうした要素があったことも、この世界の「日本っぽさ」や「現実世界っぽさ」を感じさせる原因となっていたのかもしれませんね。
>・妹のミーアが持つスプーンからソースが跳ねて、
↓
>妹の持つスプーンからソースが跳ねて
>ミーアは今後そこそこ登場する重要なキャラですが、それは第2章からであり、現時点では名前を出す必要性は低いと判断。
⇒序盤のネームドを絞ることは良い改善であると感じます。再登場の際に「あのイベントの時にも居た人物だ」といった一文と共に名前を出せば済みますからね。
>・そこから先の展開は想像に難くない。「だから言ったでしょう」と母が言えばアレクは激昂し、当然怒りの矛先はミーアへ向かう。アレクより更に幼いミーアが泣き出せば、父までもが「年長者は年下を守るものだ」などと言い出す始末。
↓
>そこから先の展開は言うまでもない。「だから言ったでしょう」と母が言い、父までもが「年上なんだから我慢しなさい」などと言い出す始末。
>梶野カメムシさまのアドバイスに従い、「難くない」「父のセリフ」を変更。
>更にアレクが怒った事は書かなくても想像がつくと考えて削除。
⇒私個人としては【旧版】のやりとりのままでも良かったとは思うのですが、文章を削りつつ、しっかりと両親の性質を伝えられているという点においては、素晴らしい改善であると感じました。
>・おじさん(クララの父)のくだりを全面カット。
>ここは思い切ってクララの父の存在を消しました。
>次の話に繋げる為に絶対に必要な描写ではなく、クララの父も重要人物ではない為です。
>この変更によりアレクがロドニーたちと出会う理由は、ただ通りすがっただけに。
>それと同時にクララの名前も第1話では判明しません。
>また、場所の表現を「公園」から「広場」に変更。
⇒かなりテンポが良くなったと感じました。もちろん、クララの父は良いキャラだったとは思うのですが、それは私が【旧版】を読んだからこその感想ですね。【改稿版】の方が、多くの読者さまに受け入れられるのではないかと存じます。
>・「ほら、エメロン行くぞ! 落っことすなよ!」
↓
>「ほら行くぞ! 落っことすなよ!」
>こちらもミーアの名前を削除したのと同じ理由です。
>エメロンは第1章から頻繁に登場する重要人物ですが、名前を出すのは次話でも良いと判断しました。
⇒やはり最序盤としては、ネームドの数は〝現時点で必要な人物のみ〟に留めるのが得策でしょうね。私が感想を書く際にも、あまり出てこなさそうなキャラの名前はスルーしながら書かせていただいております。再登場した段階で「以前にも登場しましたね」と言えば済む話ですからね。
>・「ヒグっ、返して……。う、ヒグっ……」
↓
> カット
>梶野カメムシさまのアドバイスに従いました。
>次の地の文で「嗚咽を漏らしながら」と書いてあるので不要だろうとの事です。
⇒まさに仰るとおりですね。たとえば「取られた物が名のあるアイテム(母の形見など)で、ここで詳細を出す必要がある」などでない限りは、カットで正解であると思います。
>・突然の乱入者に戸惑う少年たちの1人に近寄り、”パシッ”と手に持つ帽子を強引に奪い取る。帽子を持っていた少年は”ビクッ”と身体を震わせたが、抵抗はしてこなかった。
↓
>突然の乱入者に戸惑う少年たちの1人に近寄り、手に持つ帽子を強引に奪い取る。少年は驚きに身体を震わせたが、抵抗はしてこなかった。
>こちらも梶野カメムシさまの「表現のばらつきがある」との指摘を受けて、擬音語を修正しました。
⇒私が改稿を行なう際にも、擬音は真っ先に修正対象になりますね。書いた時点では「必要だから書いた」はずなのですが、読み返すと「やっぱり無くても通じるや」と思ったりもするものです。とはいえ、場合によっては長々と地の文で音を表現するよりも、擬音を使った方が良い場面もあるとは感じております。たとえば「異世界での電子音」などですね。これを説明するくらいならば、「ピッ」と書いた方が早いです。
>・「なんだぁ、お前? お前ら、コイツのこと知ってる?」
> 「いんや、見たことないっスねぇ」
> 「ぼ、僕も知らない……」
↓
> カット
>こちらも梶野カメムシさまの「キャラを立てるのはロドニーだけで十分」との指摘を受けての修正となります。
⇒「ガキ大将」と「腰巾着」と、「嫌々ながら従わざるをえない内気な少年」といった感じでしょうか。台詞だけで人物像が浮かびますので良い場面であるとは思われますが、ご指摘もごもっともですね。改稿版の方が良いと感じます。
>・一瞬、アレクは言葉の意味が分からなかった。しかし言葉の意味を理解し始めるのと比例して怒りがフツフツと湧き上がってくる。
>その怒りが高まると共に、アレクは言葉を放っていた。
↓
>一瞬、アレクは言葉の意味が分からなかった。しかし言葉の意味を理解し始めるのと比例して怒りがフツフツと湧き上がってくる。
>話の前後から、無くても問題はないと判断。
⇒かなり読みやすくなったと感じます。一点のみ挙げるとすれば、〝比例して〟のあとにも読点があれば、無理なく息が続くようになるかとは思われます。
>・「チビ」と言うだけあり、アレクとロドニーの体格差は一目瞭然だった。
>ロドニーはこの場にいる子供たちの中でもひと際大きな身体をしている。対するアレクはロドニーは元より、他の2人どころかクララよりも背が低い。
>恐らく年齢差もあるのだろうが、この場で最も背が低いのはアレクだった。
↓
>「チビ」と言うだけあり、アレクとロドニーの体格差は一目瞭然だ。それどころかアレクはこの場の誰よりも背が低かった。
>こちらも梶野カメムシさまのご指摘です。
>例文を頂きましたが、少しだけアレンジ。
⇒群像劇であるならば【旧版】でも充分なのですが、【改稿版】は焦点がアレクのみに定まっており、良い改善であると感じます。
>・見上げるように……いや、実際に見上げたロドニーが”ニヤ……”と笑うと同時に、アレクは足に圧迫を感じる。足元に気を取られていると、次の瞬間に”ドンっ”と胸を押され、足を踏まれたアレクはバランスを取れず尻餅をついた。
↓
>見上げるように……いや、実際に見上げたロドニーが不意にニヤリと笑い、次の瞬間に胸を押されてアレクはバランスを崩して尻餅をついた。
>こちらも梶野カメムシさまのご指摘です。
⇒こちらもかなりスッキリとしましたね。胸を押す行為は変わらず残っておりますが、アレクの秘密を知っておりますと、色々と心がザワつく場面ではありますね。良い変更点であると感じます。
>・アレク視点での、ユーキの登場シーン
>本当はこのシーンは削除しようかと悩みました。最後にユーキ視点で同じ描写があるので必要ないかと。
>ですがアレク視点の心理描写が欲しいと思い、残留。
>未だに消すべきか、残すべきか迷っています。
⇒現在の【改稿版】でも問題はないかと思うのですが、さらに改善を加えるとなると、〝アレクが立ち上がろうとした時だった〟の部分を少し変更し、ユーキの台詞で終わらせるくらいが丁度良いのではないかとも考えますね。あえて「英雄みたいだと思った」と言われずとも、読者としては充分に「ヒーローの登場シーンだな」と感じることはできるのではないかと思われます。
>後編へ続く
⇒このような感じとなりました。あくまでも一人の読者の個人的な感想としてお納めいただけますと幸いです。三鞘さまにとってより良い結果に繋がりますと、大変嬉しく思います。
作者からの返信
幸崎 亮さま、詳細なご感想に感謝いたしますっ!
流石と言いますか、「良い所を褒めて伸ばす」をテーマの感想企画をされているだけありますね。
こんなに良い所を褒めて頂けるとは思っておりませんでしたw。
その上で「こうした方が良いのでは?」というご意見も的を射ており、非常にありがたいお言葉ばかりですっ。
私が気付かなかった点としては、
・【旧版】の方が「ユーキ = ローランド」といった印象にピッタリだった
ユーキとローランドに、同一性は全く意識しておりませんでした。
ただアレクとユーキが同じ本を読んで、同じように影響されたという事しか考えておりませんでしたね。
本文の内容に影響するものではありませんが、「そんな風に読み取る読者さまもいるのか」と、参考になりました。
・やはり年齢には気を配っておく必要はあるのかもしれません
私も幸崎 亮さまと同じく「年齢はザックリで良い」と考えています。
今回の年齢変更も大した理由では無く、「オープニングから遡るのは10年がキリが良い」「アレクはともかく、ユーキは大人びているので年齢を引き上げるのに問題はない」と、非常に安直な考えでした。
でもやっぱり、気にする読者はいそうですねぇ。
・〝比例して〟のあとにも読点があれば、無理なく息が続くようになるかとは思われます
こちらは読点を追加させて頂きました。
読点や空行は、配置場所や頻度に毎回悩みますね。
・現在の【改稿版】でも問題はないかと思うのですが、さらに改善を加えるとなると、〝アレクが立ち上がろうとした時だった〟の部分を少し変更し、ユーキの台詞で終わらせるくらいが丁度良いのではないかとも考えますね。あえて「英雄みたいだと思った」と言われずとも、読者としては充分に「ヒーローの登場シーンだな」と感じることはできるのではないかと思われます。
こちらについては他の方からも指摘を受けており、改稿予定ですね。
視点が違うとはいえ、同じシーンを同じ文章でが繰り返されると、やはり読者としては「またか」と思ってしまうものなのでしょうね。
ここまで、大変ありがとうございましたっ。(いや、ホントに大変でしたよね?)
幸崎 亮さまのおかげで、第1話の改稿は概ね成功しているのだと自信が持てましたっ。(オープニングは難航しそうですが……)
本当にありがとうございましたっ。
頂いたお言葉の数々を胸に刻んで、これからの執筆に臨みたいと思いますっ!
"オープニングを飛ばして1話から読む読者の方も多い"
羨ましい……結末の結末がために読み飛ばされたいのに……読み飛ばせという拙作の警告を消すべきか迷う次第です……
話がそれてしまいました……!
私にできることは、物語の単語、文章、構成を見ること、そして物事を絶対値として評価することです!
変な好みゆえ、私は物語そのものに対するマイナスを意味する発言ができませんが、基準さえあれば、それを元に誰かの視点から発展させることはできます!
"「書物による書き出し」の表現があります。
その度に文体を変更してはいたのですが、いかんせん引き出しが少なくて苦労しています"
素敵な例をお見せしている方いらっしゃって、あぁなんと羨ましいと思う次第です!
そういう古い書物は言葉のリズムで雰囲気出せますよ!韻を踏む、調音点を同じにする、とかです!書物に残るのは、書き手に伝えたいことがあるというものなので、あくまで抽象的な具体例ですが(?????)普遍的なテーマがあるとぐっと雰囲気出ますよ!
"りんご色の、はなやかな甘い瞳。枯れ葉色の、さわやかな淡い瞳"
拙作から抜粋ですが、普段使う平易な言葉でも、韻、調音点、リズムを活かすとかなり雰囲気変わるのでおすすめです!
と、書きましたが……やはり私の読書体験は一般から離れているので、あまり当てにならないと思います……!人が違和感覚えたり、疲れる文章に価値を感じる性なので……平にご容赦を!
それにしても、口語的で良いところは口語で、状況把握、文脈把握が重要な場面では脚本的な台詞と切り替えがあるのが羨ましいところです!
作者からの返信
冒頭の「ローランド」の本は、古書ではないんですよ。
「娯楽小説や情報誌が一般人にも普及している」という世界なので、ただの冒険小説です。
子供のアレクが読んでいるという事から【旧版】では文体を変えずにラノベ調でしたが、「文体を変えた方が、読者の混乱が少ない」との意見を頂いたのでこのような形となりました。
"りんご色の、はなやかな甘い瞳。枯れ葉色の、さわやかな淡い瞳"
このような文章が出てくるのは、こちらこそ羨ましいですねぇ。
お恥ずかしい話ですが、私は元々小説を全く読まない人間だったんです。
その為か、文学的表現や詩的表現がほとんど理解できないんですよ……。
でも韻やリズムが大事なのは同感ですねっ。(調音点は知らなかったので調べました)
リズムが崩れると読みにくいですからね。
口語・文語はあまり意識してませんね。
特に本作は三人称一元視点ですので、所々で視点が変わる事があります。
キャラの視点に近い時は口語になったり、遠くなった時は文語になったりしてますね。
(読みにくくなっていないかは常に心配してます)