第16話:諸行無常か・・・。
俺は高級マンションに住んで、やりがいのある仕事にもついた。
寧々ちゃんのおかげで出世した・・・寧々ちゃんとエッチしてる限りこの運は
続きそうだった。
でも、自由と引き換えに忙しさに追い回される結果になった。
それがいいのかどうか今の所分からないけど、寧々ちゃんとミッチーとピーチ姫は
とりあえず養っていける。
で、ミッチーだけど無事就職に成功したみたいだった。
やっぱり将来、神主になるのが夢なんだそうだ。
ずっと就職活動を続けている中、以前お世話になったって言う知り合いの神社から
うちに修行に来ないかって誘われたらしい。
けっこう有名どころの神社で正月にはたくさんの人が初詣に来るらしいし、
子宝の神様でもあるらしくて安産祈願や七五三のお祝いにたくさん参拝客が訪れる
らしい。
で、そこの神社、神主さんが体調を崩してしまって最近ではお勤めもままらない
ってなったらしく神社の後継が必要だろうってことになって、ゆくゆくはミッチーにその神社の神主として継いで欲しいってことらしい。
「よかったじゃないかミッチー、これってきっとピーチ姫のおかげだよ」
「そうでしょうかね、でも白蛇じゃないんですよ桃は」
「白も桃も一緒だろ・・・多分、他に黄色も黒もいてみんなアゲマンなんじゃ
ないか?」
「桃を大事にしてやらなきゃですね」
「そうだな、お互い自分の彼女は大切にしてやらないとな、たとえ蛇でも」
「まあ、修行の間は、しばらくはここから神社に通えばいい」
「神社に寝泊まりじゃピーチ姫が可哀想だし欲求不満になっちゃうだろ?」
俺はなにもかもトントン拍子でちょっと怖い気もした。
いいことは永久には続かない、このしっぺ返しがいつか来るんじゃないかって
思った。
で、俺はまた古民家の取材で、ふたたび三重県に来ていた。
その後ご神体「寧々ちゃん」が祀られていた後がどうなったか知りたくて
その日は休日だったにもかかわらず白瀧さんは、参拝客すらもいなくて、なんと
なく暗くて裏寂しい感じがした。
以前来た時より、落ちぶれてきてるのかな?って思った。
俺は一応参拝してから、ご神体が祀ってある格子の囲いの場所に行ってみた。
そしたら神玉の代わりに、なんとボーリングの玉が置かれてあった。
なんじゃそれ・・・ありがたみもなにもないだろ・・・。
白瀧さんはいつからボーリング神社になったんだよ。
あ〜そうか白瀧さんから、寧々ちゃんがいなくなったから、この神社
落ちぶれてきてるんだって俺は思った。
寧々ちゃんを返したほうがいいんだろうか?
でも寧々ちゃんは絶対帰りたがらないだろうしな・・・もう閉じ込められるのは
まっぴらだろうし・・・これもそれぞれの運命だよな。
まあ寧々ちゃんがご神体の時は、この神社も繁栄してきたんだろうから、その時
は栄華に溢れてたんだろう。
諸行無常か・・・。
つづく。
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