第2話壊れてゆく理想

家を決め、家具をそろえ、新婚生活が始まりました。

さあ!これからという時に夫がしごとを突然、何の相談も無しに

辞めて、しまいました。呆然としていると義母(ははとは呼びたく無いので、以降はF代と記します)電話がありました。「どないしてるかと思うて電話してん。

調子ようやってる?」と聞くので事の顛末を話すと「アハハ。あの子そんなんやねん。ちょっと務めてはプイっと辞めてまうねん。あんたも、えらいのに引っかかったなあ。なんか、前は女子高のバレーボールのコーチやって、カワイ子ちゃんに囲まれてたのしゅうやってたわ。ほんま地に足、つかん子でどうしようもないわ」

と夫の今までの悪口を言ってすっとしたのか2時間1人で喋って、ガチャンと電話は切れました。翌日からF代の電話攻撃が始まりました。「家庭はな、女がしっかりせんとあかんねん。息子が仕事辞めたんも、あんたがなんか言うたんちがう?家は私がしっかり管理して目ぇ光らせてるから、そんな勝手させへんけどなあ。初めからこれじゃあ先が思いやられるなあ」から始まり自分が一番ちゃんとしてるアピールをえんえん2時間話して満足して終わりました。(初めに言った、嫁姑の関係は無しで女同士で、の影は、わずか数日で薄くなっていくのでした)

その2日後、次のターゲットは義父でした。義父は膝が悪く手術をして人工関節を入れています。歩く事もままならぬ、ほぼベッドの上で寝たり起きたりの生活です。そんな義父を前に悪口三昧。「この人には、ほんまに苦労させられたわ。まあまあ稼いではおったけど、やれ秋田犬飼ったり、熱帯魚飼ったり、世話はみんな私に押し付けて、自分は友達と一緒に旅行行ったり、ほんまに勝手な人やったから、歩けん様バチ当たったんや。でも世話はせなあかんし、何で私ばっかり苦労させられんねんやろうな」等々よく本人を前にして、ここまで言えるなと思うほど愚痴を2時間にわたって言い続けました。(1回の電話時間はほぼ2時間、途中で切りたくても、用事があると言っても、まあ、もうちょっと聞いてえな と言って切らせてくれません)結婚して間もなく、こんな調子だったので、いささか うんざりしました。良い話を聞くならともかくF代の口からは人の悪口、日頃の愚痴しか聞かされるばかりでした。

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